「“5球団競合”ドラフトの目玉は…阪神へ」「ソフトバンクは誰も知らない“隠し球捕手”指名」ドラフト全指名予想《日ハム・阪神・ソフトバンク編》 

　エース有原航平の精緻なコントロール、新加入・上沢直之の打者にフルスイングを許さない緩急のピッチング、6年目・大関友久のクロスファイアーとスライダーで鋭く内を突く闘争心。打者なら、近藤健介、中村晃の年間通してのコンスタントなジャストミート能力に、負傷欠場のギータ（柳田悠岐）を「待っていました！」とばかりにきれいにカバーしてしまった柳町達、栗原陵矢ら中堅どころの鍛え上げた腕前。

　選手個人、個人の円熟したスキルが結集して「ホークス」という確固たる組織力となり、若い力と勢いで追撃した日本ハムを、最後は一蹴して2季連続のペナントを手中に収めた。

　6名の支配下指名。要所は抑えたつもりだ。

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　現有戦力のレベルの高さを考えれば、よほどの能力の持ち主でなければ、競争にならない。少なくても、ファーム（二軍）のレギュラークラスに太刀打ちできなければ。

　1位・小田康一郎（青山学院大）に迷いはない。今ドラフト随一のバットマンという評価だ。

　失投はもちろん見逃さないが、内角の145キロ前後……きびしいボールをさばいたライト線の打球がきれないのは、間違いなく「才能」だ。逆方向の打球も、外野へ伸びてなかなか落ちてこない。理にかなったスイング軌道と抜群のスイングスピードのせいと見ている。

　一塁手だから守りにつくと目立たないが、一塁線の痛烈な打球も、一、二塁間の球際も実に上手い。投げられるし、初球から盗塁して涼しい顔をしている。セカンドはともかく、サードは十分こなせると踏んでいる。

　いうまでもなく、中村晃、近藤健介の系譜。本人、本気で励めば、プロで10年3割が打てるバットマンとしての選択だ。

今宮健太の後継者「打てるショート」を2位指名

　あの小さな体で、名手・今宮健太の大奮闘は「銅像もの」だが、いつなんどき……準備は怠りなく。任せて安心のフィールディング上手のショートストップだったら川瀬晃が控えているが、試合中盤までの「打てるショート」が急務。小粒だからとあなどるなかれ、2位・大塚瑠晏（東海大）の独自の「打の世界」は注目に値しよう。

　ベースぎりぎりに立って内角をつぶす（投げにくくする）と、外いっぱいのストライクが「ど真ん中」になる。ちょっとでも遠く見えたらボール球だから見逃して、ど真ん中だけ待っていればよい。来ればパチン！と見かけ以上の瞬発力でライナー性のシングルに長打。内角ぎりぎりにドーンと来られたら、その時はごめんなさいだ。バッティングなんて、所詮は「3割仕事」なのだから。

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