「投手力で敗れた巨人…快腕を“大量指名”予想」「佐々木麟太郎指名は…“やはり”のオリックスか」ドラフト全指名予想《巨人・オリ・DeNA編》 

　150キロラインに早くから到達していたから速球投手の印象だが、本質は「快速球も兼備する変化球投手」。打者の手元で激しく変化する体感のタテのスライダー、高速フォークは間違いなくプロでも切り札になる。

　4位・赤木晴哉（佛教大）は、日本ハム・達孝太投手と同期だった天理高当時に腰痛を繰り返して登板の機会が少なく、大学でも3年生からの登板で、実質まだ「2年目の投手」。フレッシュな、今、伸び盛りの未完の大器だ。

「未完」とはいったが、この1年間のリーグ戦では、エース格として角度抜群の145キロ前後を投げ下ろして、長身のオーバーハンドにしては両サイドが突け、スライダー、フォークでスイングを崩す。6月の大学選手権では、153キロまでパワーアップ。隠し持っている才能は計り知れない。

オリックスのお家芸「実力派社会人」は？

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　そして、オリックスのお家芸ともいえる「実力派社会人選手獲得」には、今回、5位・相羽寛太（ヤマハ）、6位・九谷瑠（王子）の2選手を選んだ。

　阿部翔太、小木田敦也、高島泰都、古田島成龍、権田琉成（いずれも投手）、西野真弘、杉本裕太郎（いずれも野手）。その例はチーム内に数多い。

　セカンド、ショートをしっかり守ってくれるフィールディング上手がどうしても欲しい内野陣に、適役なのは相羽選手。静岡高当時から守備力だけならプロ級の評価もあったショートストップだが、打の進境がなかなかで出世が遅れた。今季、体型が変わって、打の迫力がアップ。なんならレギュラーでも……それぐらいの自信に満ちたスイングになっている。

　夏の都市対抗野球で優勝投手に輝いた九谷投手は、シンデレラストーリーの持ち主。昨年までは、味噌カツで有名な「矢場とん」（愛知）のクラブチームで投げていたのが、縁あって今春、王子に移籍すると、みるみる高い実戦力を発揮して都市対抗では先発、リリーフとフル回転。初の経験の大舞台の、あの大音響と緊張の中で、決勝戦の抑え4イニングの奮投が素晴らしかった。

　真っ向勝負の快速球とタテのスライダー、チェンジアップで鬼気迫る投球。

　優勝をきめた最後の「151キロ」の外角低目は、打者が立ちすくんでいた。心配していた「燃え尽き症候群」さえ杞憂に終われば、同じ役回りで、今度はプロの大舞台に立てる「雑草（失礼！）魂」だ。

　そして、2位・谷端将伍（日本大）。この強打の三塁手が、オリックスというチームの空気を変えてくれるのではないか。

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