“ユース教授”のサッカージャーナルBACK NUMBER

「鈴木淳之介めっちゃいい」ブラジル撃破の夜に絶賛の声…恩師が明かした22歳新鋭DFの素顔「日本代表になった今も“調子のってる”なんて聞いたことない」 

text by

安藤隆人

安藤隆人Takahito Ando

PROFILE

photograph byAFLO SPORT

posted2025/10/17 11:03

「鈴木淳之介めっちゃいい」ブラジル撃破の夜に絶賛の声…恩師が明かした22歳新鋭DFの素顔「日本代表になった今も“調子のってる”なんて聞いたことない」<Number Web> photograph by AFLO SPORT

ブラジルから初めて勝利したサッカー日本代表。左CBとしてスタメン出場した鈴木淳之介(22歳)は攻守に躍動した

 2022年に岐阜県・帝京大可児高から期待のボランチとして湘南に加入したが、ルーキーイヤーの公式戦出場は天皇杯の1試合のみ。2年目もリーグ5試合に出場に留まっている。しかし、転機はプロ3年目の2024年。身長180cmと決して大柄ではなかったが、山口智監督にヘディングや対人の強さとビルドアップ能力を買われセンターバックにコンバートされると、3バックの一角としてレギュラーの座を掴んだ。

「淳之介は気分に一切、左右されない。大舞台であっても、普通の練習試合でも同じテンションでプレーができるんです」

 急成長の秘訣を語るのは、帝京大可児高校時代の恩師である仲井正剛だ。当時の姿を懐かしそうに振り返る。

ADVERTISEMENT

「口数は少なくて寡黙だけど、人のことをずっと見ているし、話をちゃんと聞いている。吸収力がすごかった。一番感心したのは、自分に対して言われていない話でもきちんと耳を傾けているところ。たとえばサイドバックの選手に求める役割などを話している時にも、『自分がそのポジションをやったらどうなるか』という視点を常にもっていました。その習慣があるから湘南でセンターバックにコンバートをされても、3バックをやることになっても順応できた。日本代表、コペンハーゲンと、高いレベルに進んでも変わらずにプレーできている要因だと思います」

「困ったら俺に預けろ」

 附属中学からの内進生が多いなか、鈴木は岐阜VAMOSという地元クラブチームから入学した外部組だったが、すぐに特異なボール捌きにポテンシャルを見出した仲井は高いレベルを要求し続けた。ボールを持ったら一人、二人と相手を剥がすこと。積極的に縦パスを刺すこと。鈴木はその指示を静かに受け止め黙々と練習していたという。

 生まれもった身体の強さや技術もさることながら、仲井は鈴木の利他的なメンタリティに将来性を感じた。

「高校時代から味方をサポートする、味方の良さを引き出すことには長けていたと思います。慣れない選手とコンビを組んだ時も『俺に合わせろ』ではなく『困ったら俺に預けろ』と、うまくプレーできるように考えながら指示を出せていました。味方がミスしても文句なんて聞いたことがなかったですし、日本代表になった今も『調子に乗っている』なんて話は聞いたことがない。寡黙なタイプだから、典型的なキャプテンタイプじゃないけど、周りから信頼される力を持っているからこそ、将来的には腕章を巻いてほしい。環境で育つ選手だと思っています」

【次ページ】 「淳之介、ベルマーレ決まったの?」

BACK 1 2 3 NEXT
#鈴木淳之介
#湘南ベルマーレ
#FCコペンハーゲン
#南野拓実
#久保建英
#森保一
#板倉滉
#冨安健洋
#町田浩樹
#伊藤洋輝
#帝京大学可児高校

サッカー日本代表の前後の記事

ページトップ