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箱根駅伝PRESSBACK NUMBER
「本当になんでなんだろう…」出雲駅伝まさかの7位…青学大“最強世代”2年生エースの誤算はなぜ起きた? 原晋監督は「ポテンシャルに期待していた」
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和田悟志Satoshi Wada
photograph bySatoshi Wada
posted2025/10/17 11:05
初出場となった出雲駅伝で2区を任されたものの区間10位と失速した折田壮太。原晋監督をして「最強軍団」と言わしめた世代の筆頭は何を思ったのか
3日前に発表されたオーダーでは、2区に4年の宇田川瞬矢が登録されていた。この2区は原監督が頭を悩ませた区間の1つでもあり、折田の他に1年の椙山一颯も候補に挙がっていた。
「全体のバランスを見て考えました。折田のほうが絶対スピードがあるし、ここに来て状態が上がってきたから、ポテンシャルに期待していた」
原監督がこう振り返るように、当日変更で2区に抜擢されたのは折田のほうだった。
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補員に回った椙山が、出雲駅伝後の出雲市陸協記録会で全体1位となっただけに、原監督にとっても難しい判断だったのだろう。
「勝負の2区」に折田を配した理由は…?
2区は5.8kmと、出雲駅伝の全6区間中最も距離が短いが、「スピード駅伝」と称される出雲駅伝で序盤の出遅れは、優勝を狙うチームにとって致命傷になりかねない。
また、先行逃げ切りを図って、あえてエース級を配するチームもある。2022年、23年と連覇した駒澤大学は、佐藤圭汰(現4年)で一気に勢いに乗った。昨年は創価大学の吉田響(現サンベルクス)が9人抜きの活躍を見せている。
今回は早稲田大が、トラックシーズンを席巻した大黒柱の山口を2区に起用していた。その他にも、帰山侑大(駒大4年)、小池莉希(創価大3年)、島田晃希(帝京大4年)や濵口大和(中大1年)といった各大学のエース級、準エース級の選手たちが集まった。
向かい風とはいえ、ハイペースな展開が予想されただけに、5000mで実績のある折田をこの区間に起用したのは十分に納得がいく。
何より、今季の折田は再び輝きを取り戻しつつあったからだ――。
<次回へつづく>

