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メジャーリーグPRESSBACK NUMBER
「スネルと山本由伸があんなに抱き合って」現地のNHK解説者が目撃したドジャースの“一体感”…登板拒否の前科ある男が「一番雰囲気がいいチームだ」
text by

小早川毅彦Takehiko Kobayakawa
photograph byNanae Suzuki
posted2025/10/16 19:41
実は春先からけっこう距離が近かったスネルと山本。ハイレベルな先発投手どうし、認め合えるものがあるのか
機動力も完璧に封じる
ブルワーズの野球はチームで1点を取りにくる野球です。私は、足も積極的に使ってくるのでは、と考えていました。しかしスネル投手は8回で出したランナーがわずか1人、しかもそのランナーの盗塁スタートを察知して牽制で釣り出してアウトにしました。スネル投手が試合前の会見で「彼らがどこで走ってくるかは研究済みだ」と語っていたとおりでした。まあ、そもそも機動力を使う以前に走者もほぼ出せなかったわけですが。
そして山本投手も、ランナーが出ても微妙に間合いを変えたりして、走りにくいように工夫していました。日本と違ってピッチクロックのあるなかですが、それでも数秒のタイミングを使って、ギリギリまで球を持ったり、やや早めに投げたりと、リズムを変えながら投げているのが見て取れましたね。私が測っていた感じでは、クイックも1.2秒台前半と優秀でした。
試合前には、まさか完投するとは予想していませんでしたが、7回に大谷翔平選手のタイムリーで4-1になったあたりで、これは今日勝つには、継投するよりも、山本投手が最後まで投げるのが最も確率が高いだろうな、と感じました。この日は投球数が20球を超えたイニングが1回もなくて、非常に効率的でしたから。
スネルと山本の長い抱擁
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さて、放送でもご覧になった方が多かったのではないかと思いますが、1戦目に好投したスネル投手が降板したあと、ベンチで山本投手が近づいていって、相当長い時間、抱き合いながら言葉を交わし、さらに手をとり合う場面がありましたね。シーズン中からスネル投手はけっこう山本投手とベンチでじゃれあっているところを見かけましたが、それだけでなくこうしてしっかりコミュニケーションを取っています。お互い認め合っているというか、共通するものを感じているのかもしれません。

