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大谷翔平に異変「バレた弱点」調べてわかった“不調の原因”…調子狂わせたフィリーズの異例作戦「オオタニだけ確実に抑える」ドジャース編成も驚いた
posted2025/10/16 17:06
ポストシーズンでスランプに陥ったドジャース大谷翔平。復活なるか?
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水次祥子Shoko Mizutsugi
photograph by
Getty Images
大谷翔平のバットは果たして息を吹き返すのか。
ブルワーズとのNLCS(リーグ優勝決定シリーズ)第2戦7回にタイムリーを放ち20打席ぶりの安打を記録。これをきっかけに、残りのシリーズであのパワフルな打撃が甦るのか注目されている。
調子狂わせたフィリーズの作戦
大谷の大スランプが始まったのは、フィリーズとの地区シリーズだった。戦った4試合で18打数1安打の打率.056、0本塁打1打点、2四球9三振と絶不調。レッズとのワイルドカードシリーズでは第1戦で2本塁打3打点を記録するなど躍動していただけに、突然の沈黙に周囲はざわついた。
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ドジャースのデーブ・ロバーツ監督はこのポストシーズンで、大谷のスランプについてことあるごとに報道陣から意見を求められていた。フィリーズとのシリーズ中に苦戦が続いていたとき「相手が左腕ばかりというのもひとつの原因」と指摘していた。
確かに大谷は、フィリーズに左腕攻めにされた。
4試合で計20打席に立ったうち16打席が左腕との対戦。第1、4戦で先発したクリストファー・サンチェス、第2戦先発で第4戦ではリリーフとして対戦したヘスス・ルサルド、第3戦に2番手で5回を投げたレンジャー・スアレス。リリーフ陣では他に第1、2戦でマット・ストラーム、第3戦でタナー・バンクスと、次々と左腕をぶつけられた。
加えて、フィリーズの左腕のほとんどがサイドスロー気味であったため「大谷はサイドスローの左腕が打てない」という弱点を指摘する声が出るようになった。
「弱点は本当か?」腕の角度を検証
MLB公式データサイト「Savant」によると、平均アームアングルはサンチェスが30度、ルサルドが33度、スアレスが37度、ストラームが31度、バンクスが48度。他の左腕はどうかというと、例えばドジャースの同僚であるクレイトン・カーショーとブレーク・スネルはいずれも56度、2年連続のサイ・ヤング賞が確実視されているタイガースのタリク・スクバルは50度で、こうした投手と比べるとフィリーズ投手陣のアームアングルの低さが際立つ。

