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ドジャース・佐々木朗希の覚醒…米老舗メディア編集長が「“驚き”ではなく“必然”」と評するワケは? 日米メディア「ロウキ評」の決定的な差
text by

一野洋Hiroshi Ichino
photograph byGetty Images
posted2025/10/09 06:02
リリーフに転向して活躍を見せる佐々木朗希。日米メディアでの意外な「評価の差」はどこにあったのだろうか?
内容はそれぞれ異なれど、これらのメディアの論調は、いずれも日本でのこれまでの報道とは微妙に異なる共通の一点の要素を内包している。
それは、クローザーに転向した佐々木の存在が「驚きの新人」ではないということだ。
もともと評価は高く、ポテンシャルは織り込み済みだった。その上で、ようやく実際に結果を出した夜が訪れた──それがこのポストシーズンだったということである。
「興味深いシーズン」だが…驚きではない
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この構図を言語化してくれたのが、140年近い歴史を誇る老舗メディア『スポーティングニュース』で編集長を務めるベンソン・テイラー氏だ。テイラー氏はこう語る。
「ササキについては、まさに“興味深いシーズン”と言えるでしょう。これまでにも、先発投手がさまざまな理由でブルペンやクローザーに転向するケースはありました。もっとも有名な例のひとつは数十年前、オークランド・アスレチックスのデニス・エカーズリーがクローザーとなり、伝説的存在かつワールドシリーズ制覇を果たしたケースでしょう。
ササキの場合もいくつかの要因がこの立場を生みました。故障からの復帰というだけでなく、ドジャースのブルペンが苦しんでいたという事情もあります。したがって、これは彼にとって良いチャンスとも言えます。ポストシーズンではブルペンの出来が勝敗を大きく左右しますし、ササキは新しい役割の中で輝き、試合を締める場面で大きなインパクトを残せるかもしれません」

