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ドジャース・佐々木朗希の覚醒…米老舗メディア編集長が「“驚き”ではなく“必然”」と評するワケは? 日米メディア「ロウキ評」の決定的な差 

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一野洋

一野洋Hiroshi Ichino

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posted2025/10/09 06:02

ドジャース・佐々木朗希の覚醒…米老舗メディア編集長が「“驚き”ではなく“必然”」と評するワケは? 日米メディア「ロウキ評」の決定的な差<Number Web> photograph by Getty Images

リリーフに転向して活躍を見せる佐々木朗希。日米メディアでの意外な「評価の差」はどこにあったのだろうか?

 日本のメディアではたびたび佐々木への厳しい評価が目についたが、実は特に米メディアのメインストリームではもともと「佐々木の素質への評価は揺らいでいない」という論調が多かった。

 まだ23歳という年齢に加えて、決して高年俸でもない条件も相まって「健康と適応さえ整えば、いずれブルペンの軸になれる」という好意的な評価が関係者の間に共有されていたことがうかがえる。

「守護神扱いを否定」の真意は?

『スポーツ・イラストレーテッド』は、ディビジョン・シリーズ初戦後のデーブ・ロバーツ監督の慎重な言葉を拾い「ロバーツ監督は佐々木朗希の“守護神扱い”を否定」と題して報じた。ロバーツ監督は試合後、「まだクローザーを固定する段階ではない」と発言。佐々木の起用を“状況に応じた判断”として位置づけた。

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 この記事は、ブルペンの脆弱さと佐々木の肩のコンディション管理という現実を踏まえ、監督が「慎重さを装う理由」を分析している。ドジャースにとって佐々木は即席の救世主ではなく、長期的戦略の中で欠かせないピースのひとつであり、球団は過剰な熱狂を抑えることで、リスクを制御しようとしているということだ。

 MLB公式サイトは、物語の焦点をやや別の方向に当てていた。

 大谷が勝利投手、佐々木がセーブ投手として並び立った事実を「日本人先発・救援コンビによるポストシーズン初勝利」と位置づけ、歴史的文脈に重心を置いた。記事は、佐々木の球威や制球よりも、この試合を“日米をまたぐ象徴的な瞬間”として描いている。他のメディアが実務的な起用方針を論じたのに対し、MLB公式は“記録としての価値”を優先した構成だった。

【次ページ】 「興味深いシーズン」だが…驚きではない

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