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野球クロスロードBACK NUMBER
「日米の投手の傾向で大きく違うのは…」元ヤンキースの本塁打王が来日して衝撃…“変化球の使い方問題”とは?「状況に応じてアジャストしないと」
text by

田口元義Genki Taguchi
photograph byGetty Images
posted2025/10/09 11:02
今年6月から楽天に加入したルーク・ボイト。ヤンキース時代にはリーグでホームラン王も獲得するなど活躍を見せていた
いきさつからも理解できるように、ボイトはすでに日本の野球をリスペクトできている。これこそが、彼が来日直後から快音を継続できた大きな要因だと言っていい。
ヤクルトなどでプレーした、外国人選手として唯一のNPB通算2000安打達成者である、アレックス・ラミレスの“教え”を思い出す。
彼は外国人選手が日本球界で結果を残すためには、「日本の文化を尊重し、日本の野球を受け入れること」と話していた。
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「海外から来て1年目というのは、プライドの高さからどうしても日本人の意見を受け入れられない選手は多いんです。しかし、『日本で野球がうまくなるためにはどうしたらいいか?』と謙虚になり、多くのものを取り入れようとする姿勢を出していかなければ、この国での成功はあり得ません」
ボイトが気づいた日米投手の「傾向の差」
ボイトは謙虚だった。
「すぐにできることは見て学ぶこと」と、アメリカと日本のピッチャーの傾向を、映像でくまなく見比べながら分析を重ねていく。
両国の違い。そのひとつに変化球の使い方があるのだと、ボイトは導き出した。
アメリカではスライダー、カットボール、カーブをどのカウントで投げるか大方決められている。フォークボールやスプリットにしても、内角から外角、あるいはその逆方向へと落とすという画一的な攻めなのだという。

