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「イチハラ、大胆すぎるPK!」ブラジルの実況アナ仰天…“U-20W杯で3連勝”日本代表を王国記者がズバリ「4万人超の完全敵地で…見事だ」 

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沢田啓明

沢田啓明Hiroaki Sawada

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photograph byHector Vivas - FIFA/Getty Images

posted2025/10/08 17:15

「イチハラ、大胆すぎるPK!」ブラジルの実況アナ仰天…“U-20W杯で3連勝”日本代表を王国記者がズバリ「4万人超の完全敵地で…見事だ」<Number Web> photograph by Hector Vivas - FIFA/Getty Images

チリで行われているU-20W杯で3連勝を飾った若き日本代表。ブラジル人記者はどう見ているか

「最初のエジプト戦だったと思う。2戦目は地元チリで厳しい試合になる。ニュージーランドは、理論上は最も力が落ちる。つまり、エジプトに勝つかどうかが2位以内に入るために死活的に重要だった」

エジプトが戦意喪失しても日本は守りに入らなかった

〈エジプト戦戦評:前半26分、石井久継からのパスを受けた斎藤俊輔がぺナルティエリア内で倒されてPKを獲得。主将のCB市原吏音が決めた。後半開始直後、日本は左サイドで斎藤がボールを失いながらも粘って石井へ渡し、石井がゴール右下隅へ蹴り込み、2-0で勝利した〉

「エジプトには個人技が優れた選手がいたが、日本は組織力でいなした。立ち上がりから主導権を握り、早い時間に先制して有利に進めた。そして2点目の石井のシュートは見事だった。斎藤のみならず、この試合の日本は敵陣でボールを奪い、ボールを失ってもすぐに奪い返してチャンスにつなげた。2点差となって、エジプトは戦意を喪失。日本は守りに入ることなく、追加点を狙って攻め続けた。守備も、概ね危なげなかった」

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――この試合のMOM(マン・オブ・ザ・マッチ)を選ぶとすると?

「守備面では市原、攻撃面では石井と斎藤が非常に良かった。先制点につながるPKを獲得し、2点目もアシストした斎藤を選びたい」

イチハラが大胆過ぎるキックをぶち込んだ

――続くチリ戦には、4万2000人を超える地元観衆がスタンドを埋めた。完全アウェーの雰囲気でした。

「そうだね。この年代の選手にとっては、タフな環境だ」

〈チリ戦戦評:前半31分、佐藤龍之介のクロスに対してCF高岡伶颯がゴール前で倒されてPK。高岡本人が蹴ったが、GKに阻まれた。それでも、後半開始直後に斎藤が左サイドから侵入して、再びPKを獲得。キッカーの市原はゴールの真ん中へけりこんだ。その後、チリにまた押され気味になったが後半37分、横山夢樹が見事なミドルシュートを決めて勝負あった〉

――高岡のPK失敗はありましたが、2つ目のPK獲得となった市原はGKを動かしておいて、緩やかなキックを真ん中に決めた。ブラジルのテレビのアナウンサーは「イチハラが大胆過ぎるキックをぶち込んだ」と大喜びだった。

「試合の序盤は、チリに主導権を握られた。でも、日本選手は決して浮足立つことなく、組織的に守り、可能な限りボールをつなごうとしていた。PKのキッカーは、エジプト戦で成功させた市原を予想したんだけどね。高岡はあまりにも素直に蹴り過ぎた。一方で市原のPKだ。僕たちブラジル人は、こういう華があるプレーが大好きだからね。前半のPK失敗の後で、チームに落ち着きと安心感を与えた。横山は、途中出場ながら積極的なプレー、そしてゴラッソでチームを活気づけた。この2点目で、チリ選手も地元観衆も敗戦を覚悟したね」

【次ページ】 3戦全勝は素晴らしいけど過去大会では…

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