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“フェリス卒お嬢様タッグ”も結成…人気女子レスラー・桜井麻衣が“狂乱の貴婦人”から変化した理由とは?「意外と人の言葉をよく聞くタイプ(笑)」
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橋本宗洋Norihiro Hashimoto
photograph byNorihiro Hashimoto
posted2025/09/28 17:03
マリーゴールド看板タイトルの1つ、ユナイテッド・ナショナル(UN)王者の桜井麻衣
ジュリアもたむも、恩人だった
翌2022年、桜井はジュリアの誘いもありコズエンからDDMへ。DDMはジュリアをはじめ舞華、朱里、ひめか、なつぽいなど他団体出身の強豪選手が集まったユニット。何の実績もない“ド新人”は桜井だけだった。当時の桜井を、ジュリアは「ビックリするくらいできなかった」と振り返っている。桜井は練習についていくのに必死だった。
「ほぼ毎日、ジュリアさんとマンツーマンで練習してました」
ジュリアとタッグを組み、少しずつ力をつけていった桜井。貴婦人のキャッチフレーズとともにファンを「庶民」と呼ぶ高慢キャラもウケた。
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ユニットを変えたことで批判もされている。コズエンとそのファンにとっては、桜井は裏切り者になるわけだ。
「もう全員が敵みたいな感じでした。でもたむさんは違った。コズエンのリーダーが、抜けていく私に“自分の選択を正解にしてね”って言ってくれたんです。その言葉があったから頑張れた。自分のキャリアを正解にしなかったら、本当の意味でたむさんを裏切ったことになってしまいますから」
ジュリアもたむも、桜井にとっては恩人だった。
桜井がジュリアから継いだ“ミッション”
マリーゴールドでの壮行試合が終わると、ジュリアは桜井に「これからはお前が団体を引っ張っていけ」と語りかけた。それは漠然とした“後継者指名”ではなかった。
「マリーゴールドは旗揚げしたばかりで、団体としてのまとまりに欠けていました。ジュリアさんが頑張ってなんとかまとめている感じで。“私がいなくなったらどうすんの? みんなバラバラになっちゃうよ”って心配してたんです」


