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プロ野球PRESSBACK NUMBER
「中日は去年よりずっと強い」ドラゴンズOBが苦言も…井上一樹監督、何が足りない?「エース投手のコントロールが悪い」「藤浪晋太郎に右打者を並べていれば…」
text by

遠藤修哉Naoya Endo
photograph byJIJI PRESS
posted2025/09/24 11:06
就任1年目の中日・井上一樹監督
「宏斗は球自体は素晴らしいけれど、コントロールが悪すぎる。5回で100球を超える試合が多い。それでも、もしクライマックスに進出していれば、間違いなく相手が嫌がる投手だっただけに、シーズンの不調は残念だったね」
そんななか、武田氏が評価したのが36歳の大野雄大の存在だ。今年はここまで(9月21日現在)11勝4敗防御率2.10。貯金を7つつくり、なおかつチームの連敗を8度止めるなど、全盛期を思わせる投球をみせている。
「故障から復活した、大野は頼りになるよね。ベテランとして、体調も球の強さも今年はいい。36歳でも7回、8回と投げるし、完投もする。しっかりイニングを喰っていることもあり、ブルペン陣を助けている。ドラゴンズの“カーショウ”と言っても差し支えない。カーショウとは同じ1988年生まれで、背番号も『22』。ベテランの力がチームの力になることを証明してみせた。投手陣の中で数少ないCS経験者だっただけに、チームの失速は残念だったね」
「藤浪晋太郎に右打者を並べていれば…」
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そんな中日がさらに話題をさらったのは、日本球界に復帰を果たした藤浪晋太郎の“初登板”でのことだ。井上一樹監督は藤浪に対して左打者を並べて挑み、結果的に敗戦した。
再度対戦した試合もそのスタンスは変えず、結果として藤浪登板試合で2敗しており、CS進出を願うファンからは「敗退行為では」との批判も浴びた。
「オレは松中コーチに『右打者を並べれば勝てるよ』と言ったけど、当たれば危ないよな。藤浪は150キロ以上がコンスタントに出るけど、球が抜ける。ひっかけて左打者にデッドボールを当てることもあるから、打者は“どこに球が来るかわからない恐怖”との戦いになる。ただ、藤浪からすれば、球が抜けたとしても、左打者には死球になる確率は低くなるから、のびのびと腕を振れる。右打者がこないなら楽だよ」
一方で、その後、藤浪と対戦したヤクルトは投手を含め右打者を6人並べながらも4安打と苦しみ、右打者のオスナのソロホームランの1点に抑え込まれて敗戦。左打者だが、後半戦から出場してホームラン19本と驚異的なペースで打ちまくる4番・村上宗隆も3打数ノーヒットに終わっている。これはどう評価すべきだろうか。
