「準備は100点、実力が不足」世界に歯が立たなかった箱根駅伝勢…世界陸上5000m・10000mで見えた弱点“ペース変化”「日本だとあそこまでは…」 

「世界との差を埋めるためには、自分の記録を向上させていかないといけない。まずは日本記録を更新したいと思っています」（森）

「そもそも自己ベストのタイムが世界の選手とは違うので、今年中に日本記録（27分09秒80・塩尻和也）の更新を目指したいですね。今回走って、数字としても結果を残したいという欲がすごく今、出てきているので」（鈴木）

「このまま負けて終わりたくない。世陸に合わせて、日本選手権後、ちょっと怪我をしたのを急ピッチで仕上げてきたので、じっくりやる期間をしっかり設けて、足作りをちゃんとして次のレースに臨みたいと思います」（葛西）

万全の準備をしても敗れたという結果をどう今後につなげてゆけるか　©Kiichi Matsumoto

箱根から世界に「出る」だけでなく「戦う」ためには？

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　確かに世界陸上で、彼らは多くを得た。

　だが世界との戦いに目をやれば、「かなり遠いな」ということも実感させられた。今大会では日本勢としては中短距離陣に主役を奪われた感があり、また世界の勢力図を見ても、ケニア、エチオピアの独占状態から、タンザニア、ウルグアイなどの好選手が出てきた。今後もさまざまな国から選手が出てくることが予想され、世界のレースはいっそう厳しくなるだろう。

　日本の長距離界において、「箱根から世界」という流れは作られている。だが、問題はその先にある。「出る」ところから「戦える」というところに、どうアプローチしていくのか。このまま日本の男子長距離は、世界の蚊帳の外に置いていかれるのだろうか——。