核心にシュートを!BACK NUMBER
日本代表W杯予想スタメンは「2、3戦目の入れ替え」まで必要では…カギの1人は“2つの強み”を持つMF鈴木唯人「間違いなく成長できている」
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ミムラユウスケYusuke Mimura
photograph byKoji Watanabe/Getty Images
posted2025/09/17 11:08
日本代表が完敗したアメリカ戦で、MF鈴木唯人が見せた2つの強みとは
「オーストラリア戦よりもボールに絡んで、多く触りながら……と考えていたので。決定機を作り出したのは相手のパスをカットしてからのところでしたけど、もう少し押し込んだ、ボールが前にある状況の中で、(有効な攻撃を)できるようになっていかないと」
そして2つ目に見せた強みが、チーム戦術のなかで活かせる守備力の高さだ。
アメリカ戦最大の決定機は前半34分、鈴木唯人は小川航基と連動して相手にプレッシャーをかけて、いったんゴールキーパーまでボールを下げさせた。そこから再び小川と連動して、プレスを強めると、相手のリベロが出したパスを鈴木唯人がカット。少し時間を作ってからスルーパスを送り、伊東のシュートをおぜん立てした。
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なぜ、あのような動きができたのか。質問に対して鈴木唯人は丁寧に回答した。
「大前提として、フライブルクで守備や細かいことを求められているので、そういうものが出たのかなと思います。あのシーンでは、セオリー通りに中を切りながら、外に対応していきました。そして、相手(のリベロ)がそれまでに何回も中にパスをつけていく場面があったので、先読みせずそのまま立って、カットできる場面があるだろうと思っていたので」
堂安が成長したフライブルクで
鈴木唯人が所属するフライブルクの指揮を執るのは、昨シーズン『キッカー』誌の年間最優秀監督に選ばれたシュスター監督である。さらに堂安律の獲得に動いた前監督のシュトライヒ体制で、長年勤めてきたアシスタントコーチ陣が留任している。つまり、鈴木唯人は堂安の飛躍的な守備力アップを促した教育プログラムをさらに発展させたものを受けていて、そこに自信を見出している。
「監督とコーチ陣とミーティングを毎週やりながら、個人としての成長は間違いなくできている感覚があり、充実しているので。守備だけというより、全体的な部分で、少しずつ積み上げていけるだろうなと」
堂安のようなハードワーカーを、森保監督は特に高く評価している。だからこそ鈴木唯人の伸びしろには、監督ならずとも期待するはずだ。
関根は“映像だけではわからない”評価アップ
もう一人、評価を上げたのが関根だ。そう断言できる理由は確かに存在する。ただ。アメリカ遠征の2試合を映像だけで見ていてはわからなかった要素が絡んでくるのだが――。〈つづく〉

