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日本代表vsアメリカ予想スタメン「リバプールでずっとやっている」“時差あり中2日”でも遠藤航は不可欠…緊急出場DFの胸に響いたキャプテンの言葉
text by

ミムラユウスケYusuke Mimura
photograph byKiichi Matsumoto
posted2025/09/09 18:05
メキシコ戦から中2日、アメリカ戦のスタメンはどのような形となるだろうか
メキシコ戦の後半、「疑似カウンター」にトライした効果は46分と、73分に見られた。相手を自陣深い位置まで引き込むことで、ハーフウェイライン付近にスペースが生まれたからだ。そして、そのスペースで、南野拓実と前田大然が、鈴木彩艶のミドルレンジのパスをフリーで受けることに成功している。ロングスローでもパントキックでも正確で、飛距離のあるボールを送れるGK鈴木の特長も活きたシーンだった。
もちろん、そこから即座に決定機が生まれれば最高だった。
ただ、事前に想定していた戦術ではなく、ハーフタイムに即興で提案したアイデアからチャンスになりそうなシーンが生まれたことに遠藤も、手ごたえをにじませた。
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「思った以上に、相手のボランチも自分のところにずっとついてきた。あそこまで自分のところにくるのなら、彩艶がチップ(浮き球)で出したみたいに、前の選手を生かせる。メキシコ戦に関して言えば、あのやり方は結構ハマっていたかなと」
リバプールでずっとやってきているわけなので
こうした戦術眼は、遠藤の武器である。
その素地は以前からあったが、プレミアリーグで一層ブラッシュアップされた。ただ、遠藤がもたらしたのは戦術眼だけではない。この試合では、リーダーシップもいかんなく発揮した。
「言葉で引っ張る」キャプテンを目指した吉田麻也のように口うるさく話す、というような方針を遠藤はとらない。なるべく、背中や態度で引っ張る。
メキシコ戦終盤、相手の退場を誘った場面を思い出してほしい。
遠藤がボールを受けてドリブルで持ち上がったところから、大きなチャンスが生まれた。そして、上田綺世がペナルティーエリアに進入する直前で後ろから倒され、VARを経て相手にレッドカードが提示された。
後半アディショナルタイムに差し掛かる時間帯だったから、スタメンの遠藤には疲労もあったし、そもそも親善試合だった。にもかかわらず、最後まで勝利を目指す姿勢を背中で見せたのには理由があった。
遠藤は言う。
「ああいう試合の中で勝ち切りたい想いは強かったし、キャプテンとして、どういうところで違いを見せられるかは、いつも意識しています。それにディテールにこだわることは、リバプールでずっとやってきているわけなので」
“緊急出場”DF関根の胸に響いたメッセージ
とはいえ遠藤は「背中で語る」ことに固執しているわけではない。むしろ、言葉数は多くなくとも、的確な指示を送れるのが遠藤のキャプテンとしての資質だ。
メキシコ戦でキャプテンの言葉に助けられたと証言するのが、関根大輝だ。

