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日本代表vsアメリカ予想スタメン「リバプールでずっとやっている」“時差あり中2日”でも遠藤航は不可欠…緊急出場DFの胸に響いたキャプテンの言葉
posted2025/09/09 18:05
メキシコ戦から中2日、アメリカ戦のスタメンはどのような形となるだろうか
text by

ミムラユウスケYusuke Mimura
photograph by
Kiichi Matsumoto
メキシコ戦ハーフタイム、渡辺剛にある提案
メキシコ戦のハーフタイム、キャプテンの遠藤航はセンターバックの中央に構えた渡辺剛にある提案をした。
「自分たちがボールを持っているときのディフェンスラインの位置を、もう少し下げてほしいな。というのも……」
今シーズンからオランダの名門フェイエノールトに戦いの場を移した渡辺は、ロビン・ファン・ペルシ監督のもとで新しい挑戦を続けている。ポゼッションスタイルを志向するチームで、センターバックにはパス出しの起点として多くの仕事が求められている。
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だから、渡辺の姿勢は何ら責められるところはない。森保一監督が大切にしているのが、選手に特長を出してもらうこと。フェイエノールトでのプレーが評価され、渡辺はリベロを任された。所属クラブで学んだことを代表に還元しようと高い位置でボールを回そうとしているのは、実に理にかなっていた。
もちろん、遠藤も渡辺のやり方を否定するつもりはなく「前半と後半のどちらが良いか悪いかではない」と念押ししている。
そんな前提を踏まえた上で、後半から変化を加えようよ――と冒頭のような提案をしたのだ。その理由を遠藤が解説する。
「プレッシャーをかけにきたい相手に対して、高い位置でボールを持ちすぎると、中盤がコンパクトになってしまう。そうすると崩しづらくなったり、縦にパスを入れづらくなるところがある。相手をもっと引き込むために、ポジションを後ろにとり、前線にスペースを作り、キーパーを使って……みたいなことをイメージしていました」
あのやり方はけっこうハマっていたかなと
端的にいえば、遠藤は「疑似カウンター」の局面を作りたかった。
「疑似カウンター」というのは〈カウンターのような局面〉を、意図的に作り出すこと。カウンターは相手が前に出たところから反撃に出る形。それに対して「疑似カウンター」は低い位置でボールを回すことで、相手を自陣に引き込み、手薄になった相手陣内をついてゴールに迫る形だ。
そういう形を意図的に作り出す理由は、カウンターはもっともゴールが生まれやすいシチュエーションだから。

