「国際大会で投手に求められる能力は…」甲子園“決勝進出チーム”からの選出は1人だけ…気になるU-18侍ジャパン「選考基準のナゾ」を追う  

　今年のチームで言うと、捕手登録の藤森海斗（明徳義塾）は外野手の、大栄利哉（学法石川）は投手の経験がある。奥村頼人（横浜）は、投手だけでなく打者としても評価が高く、小倉監督は「奥村頼人君はミートするのがうまい」と評価していた。辻琉沙（履正社）は内野手だけでなくアンダースローの投手としても期待されている。

　さらに国際大会はマウンドの硬さが国によって大きく違う。今年のメイン会場となる沖縄セルラースタジアムは比較的マウンドが硬いとされており、一次ラウンドの韓国戦で予告先発を言い渡され、県大会でもマウンド経験のある末吉良丞でも「硬いマウンドに慣れていないところはあるが、粘り強く投げたい」と試合前にコメントを残していた。

沖縄尚学から唯一選出された2年生エースの末吉。写真は甲子園優勝の瞬間　©Hideki Sugiyama

　ただ、今年は日本開催のため、土の感触なども含めてまだ合わせやすさはある。過去には異国のマウンドの硬さに順応できず、腰などを痛めて離脱した選手もいた。そのため投手指導を担当する坂原秀尚コーチ（下関国際高監督）は「今年は下半身のストレッチにかなり時間をかけるようにしています」とケアには一層、細心の注意を払っていることも明かしていた。

国際大会で投手に求められるのは…制球力

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　さらに投手に特化して言うと、最も求められるのがコントロールだ。国際大会は7イニング制で、短いイニングでも無駄なボールなくいかに抑えきるかが重要だ。

　イタリア戦で開幕投手を務めた森下翔太は、今夏の甲子園でも開幕戦のマウンドを踏んだ“開幕男”だが、今夏の甲子園では3試合20回1/3を投げて与えた四死球はゼロだった。抜群の制球力を誇り、期待通りの結果を残した。小倉監督は「（開幕投手に決めたのは）やっぱりゲームをしっかり作れるところがいいですね。実際、あれだけやってくれると信じていました。三振も取れるし、打線が苦しむ中、本当によく投げてくれた」と称えた。

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