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社会人で急成長してプロ入りを目指す、
2011年ドラフト有力候補を見逃すな。
text by
小関順二Junji Koseki
photograph byNIKKAN SPORTS
posted2011/02/12 08:00
JX-ENEOSの大塚椋司は最速151キロの直球と落差の大きいスライダーが魅力の本格派右腕。プロのスカウトからは中継ぎ、ストッパーとして期待されている
今季ドラフトの上位指名候補をチェックできる春。
ここまで名前を挙げてきた選手が数多く出場する大会が、春の全国大会「スポニチ大会(JABA東京スポニチ大会)」である。その組み合わせが決まったので早速紹介しよう。
対戦方法は高校野球のような一発勝負のトーナメント方式ではなく、A~Dブロックに振り分けられた4チームが3月7日から9日まで総当たりで対戦して順位を決め、各ブロック1位チームが戦う10日の準決勝、さらに勝ち上がった同士が戦う10日の決勝で優勝を決める。
Aブロック | Bブロック | Cブロック | Dブロック |
---|---|---|---|
JR東日本 | 東京ガス | NTT東日本 | セガサミー |
日本通運 | 東芝 | JX-ENEOS | JFE東日本 |
日本製紙石巻 | かずさマジック | 王子製紙 | 住友金属鹿島 |
トヨタ自動車 | NTT西日本 | 日本新薬 | JR九州 |
各ブロックの1位は、「Aブロックがトヨタ自動車」、「Bブロックが東芝」、「CブロックがJX-ENEOS」、「DブロックがJR九州」と予想した。
トヨタ自動車は過去2回のドラフトで荻野貴司、大谷智久(ともにロッテ)、中澤雅人(ヤクルト)、荒波翔(横浜)がプロ入りしたが、つなぐ野球と、祖父江、佐竹功年などの投手力で守り勝つ野球が徹底されているのが強み。
東芝はサイドスローの藤田卓史、速球派の新垣勇人を中心とした投手力と、安達了一、藤原将太など若い攻撃陣のバランスがうまく取れ、昨年の都市対抗では藤田が橋戸賞、安達が若獅子賞を獲得する活躍で優勝を勝ち取った。
JX-ENEOSは昨年、新人の左腕・大城基志がスポニチ大会で新人賞、都市対抗では三菱重工横浜に補強されて王子製紙、大和高田クラブで好投するなど、すっかり自信を深めた。ここに快速球とキレ味鋭いスライダーを擁する大塚が加われば、投手力は社会人球界屈指と断言してもいい陣容を誇る。
JR九州は社会人ベストナインに輝く濱野雅慎の存在が何と言っても大きい。打者近くで鋭く、さらに大きく変化するスライダーは社会人ナンバーワンと言っても過言ではない。岡田聖志と期待の若手本格派・菊地翔太が安定してくると、さらに戦力は盤石になる。
この4チームがどういう戦いぶりで社会人野球を盛り上げていくのかは、皆さんで是非想像してもらいたい。