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「やっぱり、2人だから」高校生クイズで優勝した双子のその後…大学が分かれても「道が違った感じはなかった」東兄弟が明かす“それぞれへの思い” 

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別府響

別府響Hibiki Beppu

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photograph byNanae Suzuki

posted2025/09/09 11:03

「やっぱり、2人だから」高校生クイズで優勝した双子のその後…大学が分かれても「道が違った感じはなかった」東兄弟が明かす“それぞれへの思い”<Number Web> photograph by Nanae Suzuki

2018年の『高校生クイズ』で優勝し、現在はQuizKnockに所属する東問と東言

 今年4月、2人は大学を卒業し、ともに「QuizKnock」の運営会社である株式会社batonへの入社を発表した。

「普通の就職活動もしてみたんです。ただ、クイズを辞めるという選択肢はもともとなかった。そもそも今年で11年間もクイズに触れてきて、人間としてのベースにクイズがあるんです。もちろん、働きながらクイズを続けることもできると思った。でも、クイズを辞めないなら、クイズが仕事になった方が良いだろうと」(言)

「大学から社会人になるとクイズをやる場が失われるんですよ。やる場が失われるというよりは、能動的にクイズをやらないとクイズに触れる場面が減ってしまう。そうすると、僕はどんどんクイズから離れてしまって、楽しくなくなってしまうと思った。じゃあもし言ちゃんがbatonに行くなら、一緒に行こうと思いました」(問)

「やっぱり、2人だからでしょうね」

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 それにしても、である。

 人生を振り返ってみて、これほどクイズに振り回され、そのうえで結果を残し、それでもまだクイズを楽しむことができているケースは珍しい。クイズに没頭すればするほど、実力が高ければ高いほど、問のいうように「苦しくなって」そこから離れてしまうプレーヤーの話も多々、耳にする。

 2人は自身の不登校や大学の不合格といった、ある種の蹉跌についても意外なほどにあっけらかんと話してくれていた。それはつまり、彼らが一般的な学歴論や教育論に価値を置いていないことを意味する。彼らの人生の優先順位はあくまでもクイズに置かれ、かつ今でもそれが一番の楽しみなのだ。

 では、なぜ東兄弟はかくも楽しく、これほど長い間クイズができているのだろうか? 

 そんな疑問への答えだけは、兄弟ともに即答だった。

「うーん……やっぱり、2人だからでしょうね」

《インタビュー第1回第2回第3回も公開中です》

(撮影=鈴木七絵)

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クイズのために「偏差値78の名門校」から「偏差値44の特色校」に転校…!? 伊沢拓司と田村正資に憧れて『高校生クイズ』を制した双子の青春秘話
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