甲子園の風BACK NUMBER
広陵“じつは取材統制あった”異例の復帰戦ウラ側「抗議する記者も…誰が質問を制限した?」現地記者は見た…中井哲之を継いだ“34歳監督”は険しい表情
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井上幸太Kota Inoue
photograph byKota Inoue
posted2025/09/01 06:01
甲子園辞退から新チーム初戦を迎えた広陵。現地記者が見たウラ側
「バスケットボール部員にもずっと言ってきたことなんですけど、その種目を頑張れる環境作りに力を注ぐこと。あとは環境があることに感謝すること。それは全部行動に出ることだと思いますので」
復帰戦直後の様子
試合が終わると、打線が23得点、投手陣が5つの0を刻んだスコアボードは瞬く間に撤去され、チーム名である「広陵」のパネルと、2つの数字が並べられた。
「5040(甲子園)」「21(日本一)」
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広陵は翌日の8月31日に実施された地区代表決定戦にも勝利し、9月20日に開幕する広島県大会本戦の出場権を獲得した。
広島県高野連は、今回の地区予選開幕前から「令和7年度秋季広島県高等学校野球大会における誹謗中傷等への対応について」と題した声明文を公表し、選手、指導者らに対する誹謗中傷に対して、毅然とした対応を行う意思を示している。とはいえ、今回の取材統制でも浮き彫りとなったように、来る県大会でも予想される喧噪、過熱する報道への対応の策定は急務と言える。
瀧口部長が言う「その種目を頑張れる環境作り」。広陵野球部にとっては、「甲子園」と「日本一」を目指すための足場を整えること。中国地区屈指の名門が、この夏まで存在した環境を再び整えるには時間がかかりそうだ。

