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広陵“じつは取材統制あった”異例の復帰戦ウラ側「抗議する記者も…誰が質問を制限した?」現地記者は見た…中井哲之を継いだ“34歳監督”は険しい表情 

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井上幸太

井上幸太Kota Inoue

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posted2025/09/01 06:01

広陵“じつは取材統制あった”異例の復帰戦ウラ側「抗議する記者も…誰が質問を制限した?」現地記者は見た…中井哲之を継いだ“34歳監督”は険しい表情<Number Web> photograph by Kota Inoue

甲子園辞退から新チーム初戦を迎えた広陵。現地記者が見たウラ側

 取材開始早々、県高野連の担当理事から「今大会、秋の地区予選に関する取材のみでお願いします」との注意喚起がなされた。この瞬間、鈴なりの報道陣にピリついた空気が走った。

 それもそのはず、報道陣の多くが、監督交代の内幕、もしくは8月10日に発表された夏の甲子園出場辞退から新チーム発足の道程について問いかけようとグラウンドに足を運んでいるのは明白だ。取材に転じるタイミングでの“待った”に、大勢の困惑と憤りが手に取るようにわかった。

新監督はどんな人?

 松本新監督は広陵OBで中井前監督の教え子になる。1990年度生まれで、中田廉(元広島)、上本崇司(広島)らと同期。高校3年だった2008年夏の甲子園には、背番号7で出場。守備固めと代走で甲子園の土を踏んでいる。

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 大学卒業後、2年間の広島県内の他校での勤務を経て、19年春から母校に赴任。6年間コーチを務めた後の監督昇格となった。

 まず投げかけられたのが、「この試合に臨むにあたっての心境について」だった。松本監督が神妙な面持ちで口を開く。

「とにかく自分たちの野球をやろうということを目標に挑みました」

 質問内容が制限されているとはいえ、報道陣も簡単には引かない。試合内容に関する質問から入りつつ、今回の問題についてや監督交代の経緯についての質問を差し込む。ほとんどが、県高野連関係者にすかさず「試合に関する質問のみでお願いします」「それは関係ないですよね?」と制止されたが、いくつかの質問は網をすり抜け、松本監督が回答に転じた。その一つが、「自身より年長のコーチもいた中、なぜ新監督に選ばれたと思っているか」だった。松本監督は、中井惇一前部長に次いで若いスタッフである。

「学校の判断で、僕は与えられた役割をただ全うするだけですので。これ以上は答えられません」

 こう回答するにとどめ、口を真一文字に結んだ。

記者は抗議も…取材統制誰が決めた?

 監督として、「今後目指していく野球」についても問われた。新指揮官が険しい顔を崩すことなく答える。

【次ページ】 部長は直前まで“バスケ部顧問”

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