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「やっぱり3人にしかわからないことがある」伊藤美誠が明かす平野美宇・早田ひなとの絆と〈みまひな〉復活秘話「水谷隼選手より、ひながいい(笑)」
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佐藤俊Shun Sato
photograph byGetty Images
posted2025/08/27 11:02
7月のUSスマッシュで久々に〈みまひな〉ペアが復活した。共闘の理由、そして平野美宇との絆まで伊藤が語り尽くす
水谷隼選手より、ひながいい(笑)
「基本的には、早田選手は左なので、誰とでも組めるんですけど、今回一緒にやって、『言わなくてもわかるし、一番やりやすい』と言ってくれたし、私も『やっぱいいな』って思いましたね。東京五輪のミックスで水谷(隼)選手と組んだ時、練習で彼が帰った後、『ひな、一緒にやろう』と練習をやっていたんですが、その時も『(水谷より)やっぱり、ひながいい』って言っていたくらいなので(笑)。
早田選手とは今後もペアをつづけていきたいですが、世界ランキングのポイントのことがあるので、次、出られるか分からない。ポイントを稼ぐためには下の大会からダブルスで出ていかないといけないのですが、それをすると3、4大会の連戦になるので……今はいろいろ考えています」
USスマッシュのシングルス、伊藤は準決勝で朱雨玲(マカオ)に敗れたが、世界選手権につづいて銅メダルを獲得した。早田は、3回戦で張本美和を破り、準々決勝で敗れた。平野は、2回戦で敗れたが、今、中国で新たな挑戦をしている。若い世代が台頭し、それぞれの活動がバラけた時期もあったが、今季は伊藤が強さを増し、“20代半ばのベテランたち”が卓球界をリードしていく流れが生まれ始めている。
まだまだ負けられない
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「私たちは、まだ負けない」
そんな強い気持ちが3人からは感じられるのだ。
「それは私も、そう思っています。若い子たちに負けないという気持ちは、すごく大事。USスマッシュやWTTチャンピオンズ横浜でも早田選手が(張本)美和ちゃんに工夫して勝ったりして、凄さを見せました。意地もあるし、経験もある、そういう気持ちが強く出ていたと思うんです。3人の団体戦じゃないですけど(笑)、やっぱり3人にしかわからないことがあるので、まだまだ負けられないという気持ちでやっていきたいです」
幼少から伊藤が先導し、平野がつづき、早田が最後に開花した。3人は順を追って、ともに日本の卓球界をリードしてきた。今後、3人がそれぞれの壁を越え、さらに成長していけば、若手を含めた日本の勢力は大きなうねりとなって、前を行く中国との距離をつめていくだろう。伊藤の充実した表情からはそんな予感が感じられた。
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