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「やっぱり3人にしかわからないことがある」伊藤美誠が明かす平野美宇・早田ひなとの絆と〈みまひな〉復活秘話「水谷隼選手より、ひながいい(笑)」
posted2025/08/27 11:02
7月のUSスマッシュで久々に〈みまひな〉ペアが復活した。共闘の理由、そして平野美宇との絆まで伊藤が語り尽くす
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佐藤俊Shun Sato
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Getty Images
5月の世界選手権ドーハ大会は、伊藤美誠、平野美宇、早田ひなの3人が、2月のアジアカップ以来にシングルスで顔を揃えた。この大会で伊藤は2017年の平野、2023年の早田につづいて銅メダルを獲得し、自らのキャリアに花を添えた。
一方、早田は準々決勝で、平野は2回戦で敗れ、涙にぬれた。とりわけ、平野の落胆は大きく、伊藤も声をかけるのがはばかられるほどだった。女子シングルスの表彰式の帰り、伊藤は決勝を見に行っていた平野と同じシャトルバスに乗り、隣に座った。
平野美宇にかけた言葉
「その時、いろいろ話をしたんですけど、思ったのは本当にいろんな人に同じようなことを言われているんだなってことでした」
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平野は、この大会で結果を出すために連日ハードな練習で追い込み、気持ちを高めてきた。だが、2回戦で世界137位のクロアチアのレア・ラコバチによもやの敗戦を喫し、中国人選手と戦うどころか、目標のはるか手前で大会を終えてしまった。
不甲斐ない自分に涙が止まらなかったが、そのあまりにも早い敗戦にネットは炎上し、「安定感なし」「美宇の時代は終わり」等々、誹謗中傷に近い言葉が飛び交い、それが平野の心をさらに削った。
「私は、いろいろ言われることに慣れたし、そんなのどうでもいいと思っているけど、でも、それをどうとらえているかは言われた本人しかわからない。美宇ちゃんとは小さい頃から一緒に戦ってきているので、わかり合える部分がすごくあるんですよ。美宇ちゃんの近くには、こうしてわかってくれる人もいるし、わかってくれようと思ってくれる人もいる。そういう、話せる人に近くにいてもらうことがすごく大事だよって話をしました」
伊藤は、平野とはわかり合える部分が一番大きいという。それは伊藤が2歳、平野が3歳半で卓球を始め、「みうみま」コンビで人気を博し、ジュニアの時代から今まで卓球のメインロードを突っ走り、歓喜と困難の時間を共有してきたからだ。


