卓球PRESSBACK NUMBER

「やっぱり3人にしかわからないことがある」伊藤美誠が明かす平野美宇・早田ひなとの絆と〈みまひな〉復活秘話「水谷隼選手より、ひながいい(笑)」 

text by

佐藤俊

佐藤俊Shun Sato

PROFILE

photograph byGetty Images

posted2025/08/27 11:02

「やっぱり3人にしかわからないことがある」伊藤美誠が明かす平野美宇・早田ひなとの絆と〈みまひな〉復活秘話「水谷隼選手より、ひながいい(笑)」<Number Web> photograph by Getty Images

7月のUSスマッシュで久々に〈みまひな〉ペアが復活した。共闘の理由、そして平野美宇との絆まで伊藤が語り尽くす

これだけ卓球をやってきているのは私たち以外いない

「まだ若いと言われますけど、私たちは卓球歴でいうと22年とかやっているんです。他の選手は、もう少し上の年齢でスタートしているので、すごいよね、こんだけやっている人、私たち以外いないよって。

 ジュニアサーキットには小4ぐらいから出ているし、ワールドツアーは小5から出させてもらっていた。自分たちだけだよ、こんないい思いしてきたのはって。自分たちは運にも恵まれていたし、それを自分のものにして、ここまで来られたのは、すごいことだよって伝えました」

 自分たちが歩んできた道を肯定しつつ、伊藤がパリ五輪から今回の世界選手権までの間に考えたことを平野に話すと、納得の表情を浮かべていたという。

ADVERTISEMENT

「私もパリ五輪前までは、世界ランキングしか見ていなくて、とにかく大会に出ていくことを考えていたんですけど、なんか違うな、なんか面白くないなって思ったんです。その後、自分が行きたい国、行きたい場所を先にリサーチして、卓球以外の部分でも楽しめたら気持ちいいなって思ったので、美宇ちゃんにも行きたい国に行きなよと伝えました。

 あとは、大会を選ぶことですね。自分がこの大会にちゃんと気持ちを込めて挑めるかっていうことがすごく大事なので、周囲に勧められてとか、7大会を全部出るとか、そんなの続けていたらどうにかなっちゃうよって言いました」

「美宇ちゃんは中国に合う」

 伊藤は平野のことを、大会前にひたすら練習に打ち込み、同じように疲弊していった自分の姿と重ねて見ていたのだろう。立ち止まって、自分の行きたい国、大会を選び、休みながら試合に臨んでいくスタイルが今回の結果につながった。

 伊藤の声が心に響いたのか、平野はすぐに動き、中国超級リーグに参戦することを決めた。深圳大学チームの一員として試合にも出場し、世界ランキング1位の孫穎莎(中国)とダブルスを組んでプレーするなど、意欲的に活動している。

「私は中国のリーグには数回しか出ていないですし、そこまで中国でプレーすることを考えてはいないんですけど、美宇ちゃんは、中国に合うと思います。小さい頃から中国のスタッフが周囲にいる環境でしたし、中国のリーグに出ていたので、中国にいるのが苦じゃない。先日、孫選手とダブルスを組んでいる試合を見たんですけど、そういうのも普通じゃ経験できないことなので、凄いなと思いますし、行った甲斐があると思いますね」

【次ページ】 みまひなペアの復活

BACK 1 2 3 4 NEXT
#伊藤美誠
#早田ひな
#平野美宇

卓球の前後の記事

ページトップ