「短期間で劇的にレベルアップするとしたら…」指導した2校が同時に甲子園出場…“27歳社会科教諭”のコーチは何をした？「ここ一番に本性が出る」 

　原田先生はこの大会で、2つの高校を甲子園に導いたことになる。

「いや、そういう言われ方すると、ちょっと恥ずかしいというか……違うんじゃないかっていうか。志峯のほうは、まだ始まったばっかりですし」

「すごく嬉しいですね！」と弾んだ声が聞こえたあとで、グッと控え目な口調に変わった。

甲子園に行ける確率は…「10%くらい」

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　この大会に母校が出られると思ってましたか？ とぶしつけな問いには、「う～ん、思ってませんでしたね。確率ですか？　10％ぐらいかな」。

　大学の4年間と尽誠学園赴任の4年間。北海道の高校野球から離れていたとはいえ、近年、グッと上昇してきた北海道の高校野球のレベルと、母校の立ち位置を、原田先生なりに認識していたのだろう。

　ある野球部関係者は「奇跡」と断言していたから、大きく外れてはいなかったことになる。

「志峯が出られた理由は正直、わかりません。北大会の組み合わせに恵まれたのかもしれませんが、でも高校野球って強いから勝つわけでもないですよね。番狂わせみたいな試合、よくあるじゃないですか。勝ち上がったから強いんだ……でいいのかもしれないですよね」

　決して前評判の高くなかった母校に戻ってきて、わずか数カ月。

　27歳のコーチは、チームにどんな魔法をかけたのだろうか？

＜次回へつづく＞

#2に続く

「揉め事になるのは“言い方”の問題」…今夏の甲子園“同時に2校を全国に導いた”27歳コーチが語った指導の肝は？「上からじゃなく、同じ高さで」