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「外敵でもいい。その方が面白い」竹下幸之介30歳がG1優勝後に語った“DDTへの恩義”「プロレスラー冥利に尽きますね」“一番強い”ザックとのIWGP戦へ
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原悦生Essei Hara
photograph byEssei Hara
posted2025/08/20 17:01
初制覇した『G1 CLIMAX』のトロフィーを手にポーズを決める竹下幸之介。次のターゲットはIWGP世界ヘビー級王座だ
語ったDDTへの恩義「プロレスラー冥利に尽きる」
「これは新日本プロレスで戦う時に限らず、AEWでもDDTでも、最近だとメキシコのCMLLでもそうですけど、戦っているのはボクなので、竹下幸之介として戦ってます。新日本プロレス所属の人間として戦ってるとか、AEW所属の人間として仕事をしているとかないんです。全部ボクなので、そこの線引きみたいなものはまったくないんですよね。ただ、ボクが見せたいものを見せる。それに尽きるので、だからKONOSUKE TAKESHITAを見てほしいなと思いますね」
DDTは竹下にとって重要なルーツだ。
「詳しいことはわからないですけど、かつてDDT所属から新日本プロレス所属になって、『G1 CLIMAX』を取った人ってケニー・オメガ、飯伏幸太がいると思うんですけど、たぶんその2選手はその時はもうDDTには所属してなかったと思うんですね。今回DDT所属のレスラーが『G1 CLIMAX』を取れたっていうのは、ボクが見せられる一つのドラマティックドリームだったんじゃないかな。ボクは今DDTで試合をすることがこの3団体の中では一番少ないですけど、でもDDTの所属レスラーとしてこうやって一つずつ大きな夢を叶えていくことで、プロレスの夢の深さと言いますか、夢の大きさっていうのを見せていたいと思ってるんです。今度(DDTの)11月3日、両国国技館ではTHE RAMPAGEの武知海青とタッグを組むことも決まっているので。ただ竹下と武知海青がタッグを組むんじゃなくて、『G1』覇者の竹下と武知海青がタッグを組むっていう。やっぱりボクをプロレスラーにさせてくれたのはDDT。これはもう変わらないことなので、こうして恩返しができれば、ボクとしてもプロレスラー冥利に尽きますね」
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竹下には5月に結婚を発表したプロレスラーである妻の坂崎ユカがいる。
「妻はアメリカの自宅にいて、ボクは日本で1カ月間戦った。距離としてはすごい離れてるんですけど、メッセージだったりとか、電話もそうなんですけど、常に励ましてくれてます。妻が、ボクが不安な時、試合前とか、前日とかにボクにかける言葉は一言だけで、いつも『竹下幸之介が一番だから』。それだけ言ってくれるんですよ。それでボクもリングに立てている。リングに立ったらもう一人なので、あとは試合中にお客さんの声援だったり、それこそセコンドのサポートだったりとか、そういうのが力にはなるんですけど、リングの上では一人なので。試合に挑むまでの準備ですよね。いかにいいメンタルで入場ゲートをくぐるかっていう、そこがボクは何よりも大事かなと思ってます。そういう部分を妻は支えてくれてます」


