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「外敵でもいい。その方が面白い」竹下幸之介30歳がG1優勝後に語った“DDTへの恩義”「プロレスラー冥利に尽きますね」“一番強い”ザックとのIWGP戦へ
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原悦生Essei Hara
photograph byEssei Hara
posted2025/08/20 17:01
初制覇した『G1 CLIMAX』のトロフィーを手にポーズを決める竹下幸之介。次のターゲットはIWGP世界ヘビー級王座だ
竹下にとって、「竹下幸之介が一番だから」と言ってくれる妻の存在は特別なものだった。
「好きなところですか? 強いところですかね。ボクも強さを常に追い求めて、DDTでデビューした時からそうですけど、なめられたくないっていうその一心で、プロレスを頑張ってるんですよ。それはDDT所属だったからっていうことではなくて、ボクらが子供の頃って格闘技ブームでプロレスが下火になってて。でも、ボクは子供の時からプロレスが好きで、プロレスって言うと大人からもバカにされるような、『まだプロレス好きなの?』って、そういう時代でボクは生きてきたんです。だからプロレスをなめられたくない。だから強くありたい。ずっとそういうメンタルでいるんですけど、それをいま後押ししてくれてるのが妻なので。強いところです」
「やっぱり、プロレスラーになって良かった」
竹下はプロレス人生を振り返った。
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「すごく順調のようで、苦しい13年間でした。8月18日は自分のデビュー記念日で、14年目に入りますけど、また次の1年、どうやってプロレスファンをワクワクさせて、どうやって高みを目指していこうか、そればっかり考えてるんです。まずこの13年目の最大の目標、『G1 CLIMAX』の優勝。1年間、本当にこのために過ごしてきたんで」
優勝した竹下は「やっぱり、プロレスラーになって良かった」とリング上で感極まった。
「オレが思うプロレスラーは、『夢を見る者』、『夢をかなえる者』、そして『夢を与える者』です。ボクらリングに立ってる人間だけじゃない。今日、見に来てくれた人たちも、配信で見てくれてる人たちも、みんなプロレスラーになれるんです。でも、オマエら、よく聞けよ! そのプロレスラーの頂点に立ってるのは、このオレや! オマエの夢をオレに乗っけろ。オレがまだ見たことない景色、見せてやるよ。新日本プロレス、そして、世界のプロレス界、まだまだオレが面白くしてやる。それがオレからのメッセージだ! フロム・ジ・アルファ」
有明アリーナのリング上で熱いメッセージをファンに贈った竹下は頼もしかった。
「去年はプロレスで初めて悔し涙を流しましたけれど、今年は嬉し涙を流すことができました。この1年、本当に自分も頑張りました。たくさんの人に支えられて」


