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「僕はどうなるか分からないんですけど」久保建英がスペイン強豪“移籍の噂”にポツリ「街中は酷暑45度」開幕戦ゴール後に見え隠れした気持ち
posted2025/08/20 17:00
ソシエダ在籍4シーズンで3度目の開幕戦ゴールとなった久保建英。ただそれ以上にメディアの注目は「移籍の噂」か
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中島大介Daisuke Nakashima
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Daisuke Nakashima
ラ・リーガ25-26シーズン開幕節、敵地でゴールを奪った久保建英は、力強く飛び跳ねながら左拳を突き上げ、その瞬間を写真に収めた――。
連続写真を撮って気づいた「久保の巧みさ」とは
バレンシア対レアル・ソシエダ戦、57分にホームチームのバレンシアがゴールを奪うと、スタジアムは一気に熱を帯びた。久保が所属するレアル・ソシエダにとっては、大きなプレッシャーとなったはず。
そんな逆境をひっくり返したのが久保の同点ゴールだった。
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失点から3分後の60分、中盤のブライス・メンデスへボールが入ると、相手CBとSBの中間ポジションを取る久保が果敢にボールを要求。久保は一瞬のバックステップで相手守備者との距離を確保しパスを受けると、180度身体を翻しながらゴール向きにコントロール、小さなタッチでタイミングをずらして左足を一閃した。
このシーンを連続写真で確認すると、トラップのタイミングで画角の中から相手選手の姿が消えており、久保のポジション取りの巧みさを垣間見ることができた。
また久保が喜ぶシーンに映り込む、大きく頭を垂れる相手選手の姿が――久保が奪った同点弾の影響力を物語る。久保は試合後、このように振り返った。
「シュートを打つのは決めていたんですけど、ちょっと細かいタッチをワンタッチで、GKのタイミングもずらせて良かったなと」
冒頭に挙げた力強いガッツポーズの後には、その表情には一気に冷静さを取り戻し、「逆転するぞ」とチームメートを鼓舞しながらゴールの喜びを共有する姿があった。このゴールで久保は、ソシエダ加入以降の4つの開幕戦で3度目のゴールと開幕節での勝負強さを見せつけた。ただこの日のゴールは、これまでとはまた違った久保のプレーの幅を感じさせるものでもあった。
街中は45度、試合開始時は30度の酷暑の中で
キックオフ前まで遡って写真と共に振り返りたい。
8月16日、久保のシーズン初戦を撮影するために、バルセロナから地中海沿岸の街、バレンシアを目指した。夏のバケーション真っ只中であり、電車の車内は大きな荷物を運ぶ旅行者などでほぼ満席のようだった。またスペイン全域を熱波が覆っており、この日の最高気温は37度、街中に設置された温度計には45度が表示されていた。




