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「僕はどうなるか分からないんですけど」久保建英がスペイン強豪“移籍の噂”にポツリ「街中は酷暑45度」開幕戦ゴール後に見え隠れした気持ち
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中島大介Daisuke Nakashima
photograph byDaisuke Nakashima
posted2025/08/20 17:00
ソシエダ在籍4シーズンで3度目の開幕戦ゴールとなった久保建英。ただそれ以上にメディアの注目は「移籍の噂」か
キックオフは気温が配慮され、スペインでも遅い21時半ではあったが、それでも気温は30度あり、選手たちにとってはかなりハードな環境だった。観客席のサポーターも、多くが扇子を扇ぎながらの観戦で、あまり見慣れない光景だった。
21時頃、アップへと姿を現した久保は、ユニホームのタグに不快感を覚えたのかスタッフに切断をお願いする姿があった。またソシエダは、セルヒオ・フランシスコを新監督として迎えており、アップメニューにも変更があった。その中で久保が新加入のドウイェ・チャレタ・ツァルとペアを組む場面もあった。
「このFKはオレが蹴る」とボールを抱え込み
この試合で久保は、昨季と同じく右ウイングとしてのポジションを取ってゲームに入っている。ただ守備時にはややツートップ気味のポジションを取り、相手GKへまで積極的にプレスをかける姿が見られた。前監督のイマノル時代には相手SBに合わせてプレスバックする場面が多く、守備時に自陣まで戻る負担が軽減され、より攻撃面での活躍が期待される。
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攻撃時も、ただサイドに大きく幅を取るだけではなく、積極的にインサイドでボールに関与する姿が撮影できた。特にゴールシーンでは、中盤のブライスと同じ内側のレーンにポジションを取っており、ゴールへ直結する場所でボールを受けることにつながった。
またゴール直前にも、同じようなシチュエーションでの切り込みからゴール正面でのFKを獲得している。倒された久保は、「このFKはオレが蹴る」とばかりにすかさずボールを抱え込みボールをセットしている。昨季まではFKのキッカーは絶対的にブライスのものだったが、新監督との話し合いもされているのかもしれない。
点取れて良かったな、って感じですね
久保は80分に、新加入のゲデスと交代となった。その直前のCKでは、キッカーの久保が「パブロ (マリン)」と味方への声かけからショートコーナーを仕掛け、あわやというシーンも演出したが逆転ゴールにはつながらなかった。逆転には久保のチャンスメークが必要に感じられたが、この日の気温、また新加入選手の采配も考えると妥当なものだっただろうか。
1-1の同点のまま試合を終えた時、久保はベンチの背もたれに身を任せ、大きく足を投げ出した。その姿は自身がゴールしたにも関わらず、落胆を感じさせるものだった。
久保は、こう淡々と答えている。










