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《都市対抗野球2025開幕》村上裕一郎、増居翔太、竹丸和幸…見逃し厳禁! 東京ドームを彩るプロ注目の逸材たち

posted2025/08/28 10:03

 
《都市対抗野球2025開幕》村上裕一郎、増居翔太、竹丸和幸…見逃し厳禁! 東京ドームを彩るプロ注目の逸材たち<Number Web> photograph by Mainichi Newspapers

「右打ちの長距離砲」として注目されるENEOSの村上裕一郎

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安倍昌彦

安倍昌彦Masahiko Abe

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Mainichi Newspapers

 トーナメントならではの緊迫感にあふれ、出場チームの応援も華やかなお祭りムードたっぷりの大会。それが都市対抗野球だ。その魅力はどの時代も不変だが、今年はいつにも増して開幕前の高揚感を感じている。なぜなら、例年以上に20代前半の選手たちの勢いを感じるからだ。

 過去2年間のドラフトで、上位2位までに指名されてプロ入りした選手は、2023年、2024年とも4選手ずつ。それが一気に倍増するかもしれないほど、今年は人材豊富な大会となりそうだ。

 ならば誰が「主役候補」になるのか。まずは投手、それも右腕から見ていこう。

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 平成国際大在学中から常時150km台の剛腕だった冨士隼斗(日本通運)に「実戦力」が加わった。予選テイ・エステック戦での1安打完封は大きな飛躍のきっかけとなるはずだ。

 快速球なら、補強選手として東京ガスから出場する寺嶋大希(NTT東日本)も負けておらず、常時140km台後半のストレートに加え、スライダー、フォークも鋭い。

 土屋大和(日本製鉄鹿島)も速球派ながら、緩急の利いた投球で打者のタイミングを外して凡打の山を築く投球術が光る。

 視線を「西」に転じると、まず目に止まるのは谷脇弘起(日本生命)。立命館大在学当時「魔球」と評されたスライダーは、常時145km前後の速球があるだけに奪三振の武器となる。

 大阪桐蔭高から大器と期待されて入社した川原嗣貴(ホンダ鈴鹿)は、勝負の3年目を迎えている。189cm、87kgの巨体から繰り出す重い速球と多彩な変化球を、「本番」でどこまで操れるか。

 左腕ではまず、社会人3年年目の増居翔太(トヨタ自動車)に注目したい。小柄でも本格派として速球勝負にこだわり、変化球の制球力にも優れるスタイルは、元NTT西日本の伊原陵人(現・阪神)に重なる。

 知名度はなくても大会屈指の実力を持つのが竹丸和幸(鷺宮製作所)。手元の伸びが抜群の速球とスライダー、チェンジアップを駆使して緩急をつけ、打者にジャストミートを許さない。

稀少な「右の長距離砲」村上裕一郎

 一方、野手も多士済々で、プロでも即戦力となりそうな力を持つ選手が大勢いる。

 捕手ならば萩原義輝(東芝)と松山翔太(西部ガス)。共通項は鉄砲肩で、萩原は内野手出身のフットワークを活かした守備、松山は屈強な体躯で本塁突入を許さないコンタクトプレーの強さが光る。

 遊撃手なら、松浦佑星(ENEOS)と成瀬脩人(NTT西日本)を見てほしい。快足を持つ松浦は社会人でぐっとシュアさを増した広角打法が持ち味。成瀬はリストの利いたスイングが生み出す長打力と強肩が光る。ふたりとも「ショートストップ」の称号にふさわしいフィールディングの持ち主でもある。

 外野手にも個性派が揃う。村上裕一郎(ENEOS)は、プロ級の雄大な放物線を描く稀少な「右打ちの長距離砲」として、社会人球界トップクラスの存在だ。

 同じく右の長距離砲なら、藤澤涼介(東京ガス)にも注目してほしい。野球とは縁遠い横浜国立大から社会人球界に進み、持ち前の身体能力を発揮して「走れるスラッガー」として台頭中だ。

 左打ちなら、2023年大会で若獅子賞(新人賞)を獲得した福本綺羅(西濃運輸←東海理化から補強)がバッティングの精度をさらに高めて進境を見せてくれるはず。また、駒澤大在学当時は1、2番タイプだった大森廉也(JFE東日本)は、長打力のある「怖い打者」に進化。快足を持つだけに、プロ垂涎の的にもなれる逸材だ。

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