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甲子園で史上初“ナイター開幕戦”に隠された「ある秘密」…創成館が“U18代表候補”プロ注スラッガーを4打数無安打に抑えた「夜間試合の兵法」秘話 

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田口元義

田口元義Genki Taguchi

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posted2025/08/06 17:00

甲子園で史上初“ナイター開幕戦”に隠された「ある秘密」…創成館が“U18代表候補”プロ注スラッガーを4打数無安打に抑えた「夜間試合の兵法」秘話<Number Web> photograph by JIJI PRESS

甲子園史上初のナイター開幕戦となった創成館と小松大谷の一戦。勝利した創成館には夜間試合特有の特徴を捉えた「ある戦術」があった

 ただ、これも稙田からすれば許容範囲だった。

「1失点は想定内でした。相手がストレートを待っているなかでどれだけ抑えられるかを見てみたかったんで。森下のストレートが強かったので、2回から配球を変えて」

「暗いとストレートが速く見える」

 2回からはカーブにスライダー、フォークといった変化球の割合が増えていったが、単に相手バッターの目線を変えるためだけの作戦ではなかった。

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 いわば最速149キロのストレートを最大限に速く見せるための布石だ。

 稙田がさらにプランを明かす。

「僕も野球をやっていましたからわかりますが、暗いとストレートが速く見えるんです。なので、照明が入ってグラウンドが暗くなれば、森下のストレートも生きるかな、と」

 甲子園の照明が全灯された試合中盤あたりから、森下が快調に三振を奪うようになる。

 警戒するバッターの田西は「反応できるとは思っていましたけど、ストレートはキレイな回転をするいいボールで、打ってもファウルにしかならなかった」と脱帽した。しかし、それがナイターによる影響かと尋ねると、「見え方が変わることはなかった」と述べた。

 一方、田西をはじめ小松大谷のバッターたちの反応をマスク越しに見ていた山下は、ナイターの効果を実感していた。

「ちょっとでも暗くなったら、ファウルも増えてきたりと、森下のストレートの見え方を嫌がっているなという感じはありました」

【次ページ】 創成館が見せた「ナイターの兵法」の正体

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