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甲子園の風BACK NUMBER
高校野球“まさかの番狂わせ”浦和学院の誤算…34歳監督が明かす“敗戦10日後の胸中”「1週間、高校野球を見られず…」公立校・滑川総合との激闘ウラ側
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樫本ゆきYuki Kashimoto
photograph byAsahi Shimbun
posted2025/07/30 11:05
「最強世代」の浦和学院がまさかの埼玉大会3回戦敗退。泣き崩れる選手たち
2025年7月15日火曜日、UDトラックス上尾スタジアム。浦和学院は初回から4回まで毎回安打を放ちながらも得点に結びつけることができずにいた。先発・吉井蓮太郎は4回まで滑川総合打線を無安打無失点に抑える好投を見せる。しかし5回裏に試合が動く。滑川総合のこの回先頭、4番・橋本大弥の左安打から犠打、申告敬遠で2死一・二塁とし、8番の石井健大郎がピッチャーのグラブをはじく内野安打で2死満塁。9番・細野啓仁が中前適時三塁打を打ち、浦和学院は3点を奪われる。ここで森監督はピッチャーを岡部修弥に交代するも、1番・篠崎陽輝のサード前に打ち取った当たりが内野安打となり1失点。この回一挙4点を奪われた。
浦和学院は6回表、3連打で無死満塁とし、5番・鈴木謙心の中犠飛で1点を返したが、後続が断たれ1点止まり。7回表、相手の2番手で登板した捕手の篠崎に2死一、三塁まで詰め寄るも無得点。浦和学院は計11安打を放ちながらも、得点は6回の1点のみにとどまり、3回戦での敗退となった。
森監督は試合のポイントを3つ挙げた。
「ちょっと嫌な予感がした」
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1つ目は、初回に先制点を取れなかったことだ。
「夏は絶対に先制点を取ることがテーマでした。1死三塁で3番垣内がピッチャーゴロに倒れ、あれで流れを変えてしまった。昨秋に浦和実業に負けたときも、うちが初回に三者凡退で終わってしまい、相手の辻川(正彦)監督は『あれ、これは浦学とやれるかも?という気持ちになった』と後日の記事で読みました。西田がじゃんけんで勝って先攻を取れたのに、うちが点を取れなかったことで、相手にとってやれるという空気を作ってしまったと思います」
そう言って唇を噛んだ。森監督はすでに敗因を整理できているようだった。「ちょっと嫌な予感がしたんです」。試合の回想が続いた。
〈つづく〉
