大相撲PRESSBACK NUMBER
「貴景勝のことばかり考えていた」小学生からライバル関係…「オレら頑張ったよな」元小結・阿武咲が28歳で相撲を辞めた理由
posted2025/07/30 11:04
2018年九州場所で初優勝を飾った小結・貴景勝(左)。前頭13枚目・阿武咲も中盤まで優勝戦線に絡み、敢闘賞を受賞した
text by

石井宏美Hiromi Ishii
photograph by
JIJI PRESS
昨年九州場所を最後に現役を退いた元小結・阿武咲こと、打越奎也さん(29歳)。激動の相撲人生を振り返るとともに、新たに踏み出した第二の人生に密着した。【NumberWebインタビュー全3回の最終回/第1回、第2回も公開中】
新たな道を歩き出した打越さんに“現役時代の思い出の一番”を問うと、真っ先にあげたのは、2023年初場所13日目の大関・貴景勝戦だった。
互いに優勝争いをする中で少年時代から切磋琢磨してきたライバルと激突。敗れはしたものの、「同じ時代に生きられてよかった」と感謝。
奇しくも、そんな盟友はひと場所前に土俵を降りた。同時期に引退したことも運命的なものを感じてしまう。
ADVERTISEMENT
「最初に貴景勝を認識したのは小学校4、5年生の頃でした。小さかったけれどすごく元気がよくて弾けるような相撲を取っていて。インパクトが大きかったですね。絶対に強くなるんだろうな、いずれ対戦することになるんだろうなと思っていました」
気づいたら貴景勝のことばかり考えていた、と話すライバルは湊川親方として後進の指導にあたっている。別々の道を歩みはじめた今も、その存在は大きい。

