「横綱大の里、引くクセが弱点」批判も…波乱の大相撲、元大関・魁皇は“異論”「大の里はたった2年。それまで大学生だったんだから」

　大相撲名古屋場所は、前頭15枚目の琴勝峰の初優勝で幕を閉じました。今場所の琴勝峰は攻めも早くて動きが良かったですね。千秋楽の安青錦戦で勝って優勝を決めましたが、相撲が長引けばわからなかったけれど、先に当たって休まずに攻めてね。肉体的にも精神的にも成長したなぁと思ったものです。今場所のような相撲を続けていけば、今後も期待できますね。ただ、優勝するといろいろと忙しくなるから、体調管理はしっかりと！　優勝パレードの旗手は、兄弟子の大関琴櫻でした。彼は8勝7敗の成績でしたか。膝にテーピングをしていて調子が悪いのかもしれませんが、ちゃんと稽古もできている様子。昨年の九州場所で優勝して綱取りの声がかかったくらいでしたけど、それ以来なんだかパッとしないですね。「いったい何があったの？」と思うところですが、気持ちの問題でしょうか。勝ちたい気持ちがあっても体が付いていかないというか、きっと本人が一番悔しくてもどかしいだろうと思います。決して力が落ちたわけじゃない。しっかり立て直してほしいですね。体に悪い箇所があったらきちっと直し、本来の力を発揮してほしい。優勝した場所は本当に力強かったし、これで終わるはずはないですよ。

「入門して何年ですか？　たった2年でしょ」

　新横綱の大の里が11勝4敗の成績でした。負けた相撲はどれも引く癖が出てしまっていた。相手も考えて来るし、気づき始めちゃったんですよ、「思い切り当たって来られても、残せさえすれば大の里は引いてくれるんだ」って。勝つ時は圧倒的なんですけど、両極端なんですよね。そこはやっぱり稽古で直すしかない。咄嗟に引いてしまう癖をなくすよう、体で覚えなきゃいけないんです。金星を4つも配給してしまい、厳しい意見も聞きますが、よく考えてみてくださいよ。入門して何年ですか？　たった2年でしょ。それまで大学生だったんだから（笑）、そこを踏まえて話をしなきゃ。いきなり完璧な横綱ぶりを期待しても、そこは酷でしょう。金星を与えてしまったけど、逆にいえば三役以上には全部勝っている。まぁ、横綱という立場で評価されるから、それは受け止めなければいけないけれど、新横綱って行事やらイベントやらで忙しいし、今場所はさぞしんどかっただろうな、と思います。そんな中でよくやりましたよ。これからは土俵入りや所作などにも慣れて、ひとつひとつに慣れてこなせるようになっていけば、大の里の本当の強さが発揮されると思います。いろいろ吸収して学んで、これからますます強くなるはず。のびしろの多い横綱ですよ。

名古屋場所12日目、大の里対一山本の1回目。立ち合いで押し込まれると、自ら引いた大の里。同体で取り直しとなり、2回目は大の里が勝利　©Sankei Shimbun

「賛否はあったけど、本人のせいじゃない」

　横綱豊昇龍は5日目から休場でした。今年初場所後に横綱に昇進して、3場所のうち2場所途中休場となってしまいましたね。

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