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「不安しかありません」NHK退局後の本音…豊原謙二郎アナ52歳はなぜ“1人会社の社長”になったか「青臭いですが」背景に“尊敬する2人と53歳”
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NumberWeb編集部Sports Graphic Number Web
photograph byNanae Suzuki
posted2025/07/23 11:01
NHKを52歳で退局した豊原謙二郎アナウンサーは、1人会社の社長として未来を歩もうとしている
「青臭いんです。会社のミッションは『スポーツを通じて世界平和に貢献する』ですから(笑)、何様だよと言われることもわかっていますし、アントニオ猪木さんや王貞治さんじゃないと言えないようなことだともわかっています。でも決めたんです、青臭いことを臆面もなく言おうと。誰かが言わないと理想の姿はなくなっちゃうと思ったので」
◇ ◇ ◇
「言ってみれば、一人会社の社長なんです」
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こう冗談めかしつつも――独立した豊原のもとには、早くもフリーアナウンサーとして仕事が多く舞い込んでいる。趣味でもあるモータースポーツやラグビーのビッグマッチの実況などを担当した。さらにはYouTubeチャンネルを立ち上げたり、大阪・関西万博でイベントMCを務めるなど、活躍の場はさらに広がるだろう。
そんな中、NHKの看板を下ろして立つステージで、豊原は感じることがあったという。
NHKの地上波で話すことが、いかに大変だったか
――新たに立ち上げたYouTubeの記念すべき1回目のゲストは五郎丸歩さんでした。2015年W杯を中心に、ビジネス論まで話が広がっていましたね。
「五郎丸さんとは2015年からの関係性もありますから、堅苦しさはなく、すごくたのしく収録ができました。YouTubeでは今後もさまざまな方をゲストに呼んで話を引き出していく予定ですが、やはりこれまでとはプレッシャーの質が違いますね。外に出て改めてNHKの地上波で話すことが、いかに大変なことだったかを痛感しています。重圧がまったく違うんです。決して今の方が楽、言ってるわけではなく、NHKの放送では気にすることがとても多かったので」
――スポーツ実況ではモータースポーツにチャレンジされていますね。NHKにはなかった分野です。
「今はJ SPORTSさんにお声がけいただき、WRC(世界ラリー選手権)をやらせていただいて。正直、かなり大変だな、と。モータースポーツはもともと好きでしたし、先輩のチームで広報もやっています。それでも中継となれば話は別です。人物の名前がいっぱい出てきますし、レギュレーションはすごく細かい。ファンとして中継を見ていても、実況する際には全てが体に入っているわけではない。社長業もある中での準備は大変だな、と」
――会社の経営と実況の両立、ですか。
