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ぼくらのプロレス(再)入門BACK NUMBER
「賛否両論あるとは思いますけど…」“NOAHのダークヒーロー”OZAWAにベテラン・丸藤正道の本音「もし俺が三沢さんに勝っていたら…」明かした後悔の理由
text by

堀江ガンツGantz Horie
photograph byGantz Horie
posted2025/07/16 17:00
インタビューに答える丸藤正道
そんな武藤の言葉に対して、丸藤自身はこう語る。
「僕は旗揚げからずっと長い年月いますけど、NOAHを支えてきたのは僕だけじゃないんですよ。三沢さんの付き人から始めた僕にそういうイメージがあるのは全然嫌じゃないし、そのつもりでやってきましたけど。他のいろんな選手たちやスタッフの皆さん、そして繋いでくれた会社があってNOAHは生き残ることができたので。皆さんに僕は感謝していますね」
OZAWAへの本音「賛否両論あるとは思いますけど…」
そして今、NOAHはOZAWAの出現によって創立25年目にして新たな時代を迎えている。NOAHの伝統を守り続けてきた丸藤の目に、NOAHの体質を批判してのしあがってきたOZAWAはどう映っているのか。
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「ああいう若い選手が出てきたことはうれしいし、そうでなければいけないと思いますよ。そういう時代を変えるような新しい選手がなかなか出てこなかったのがこの数年間だし。清宮という生え抜きでメインを張れる人間は出てきましたけど、長らく彼と同世代のライバルが出てこなかった。やっぱり僕だったらKENTAがいたように、同世代のライバルって必要なんですよ。だから、そういう存在が清宮にとってOZAWAなのかなと思うし、傍から見ててもあいつらのライバル関係はおもしろいですよ。
OZAWAに関しては、うちに入門してきたときにいろいろと話は聞いたんです。あいつは自分で抱えているコンプレックスを、いい意味でプロレスのリングで表現できる人間なんじゃないですかね。その表現の方法論については賛否両論あるとは思いますけど、もう昔みたいに『あれやるな、これやるな』という時代じゃない。三沢さんが掲げたNOAHの旗揚げ時のスローガンが『自由と信念』ですけど、あいつの自由な発想での言動は信念を持ってやるぶんには、それはNOAHにとっても正しいことだと思うし。そういう選手がもっと出てくることでさらに盛り上がるんじゃないですかね」
NOAHの突然変異と呼ばれるOZAWAだが、方法論が違うだけでプロレスに対するスタンスはまさにNOAHのプロレスラーということだ。そんなOZAWAとNOAHの象徴である丸藤との対戦も今後期待される。
「OZAWAとは不思議とまだ対戦する機会がほとんどないんですけど、時期が来たらやることもあるでしょう。あいつは型破りだって言われますけど、僕自身も型にはハマってないんで。そういう二人が同じリングに上がったら、おもしろい試合になるんじゃないですか」

