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ぼくらのプロレス(再)入門BACK NUMBER
「大きなニュースになったのは…」KENTAが明かす“10年以上ぶりNOAH再入団”の全真相…「得意技禁止」「ケガさせるのは重罪」のWWEを経た現在
posted2025/07/16 17:01

WWE、新日本を経てNOAHに再入団を果たしたKENTA
text by

堀江ガンツGantz Horie
photograph by
NOAH
◆◆◆
「いや、あったかすぎるだろ」
“ダークヒーロー”OZAWAの出現などもあり、旗揚げ25周年を迎えてふたたび盛り上がりを見せているプロレスリング・ノア(NOAH)に今年2月13日、新たな朗報がもたらされた。2014年に退団後、アメリカのWWEを経て新日本プロレスで活躍していたかつてのNOAHのエース、KENTAが10年以上の時を経て再入団をはたしたのだ。
KENTAは再入団発表の2日前、10年9カ月ぶりにNOAHの“聖地”後楽園ホール大会に出場。試合後はファンからの温かい歓迎ぶりに「いや、あったかすぎるだろ。新日本ではブーブー言われてたのに。NOAHはあったかいね。結局、俺が何を言いたいかっていうと、NOAH最高ってこと!」と、マイクで語ると大歓声を浴びた。その時の思いをKENTAはこう語る。
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「べつにブーブー言われるようなことはやってこなかったつもりですけど、10年以上前に自分のわがままで送り出してもらった人間が、また歓迎してもらおうなんて図々しいことは考えてなかったんですよ。でも、温かく迎えてもらって、ありがたかったですね。
僕が一回離れた2014年の頃とは会社組織や選手の顔ぶれもだいぶ変わりましたけど。再入団してからサイン会なんかをやると、僕が帰ってきたことで『NOAHをまた観るようになりました』って言ってくれるファンの人たちがいたりするんで、それはやっぱりうれしいし、帰ってきたんだなっていう気持ちになりました」
日本マット復帰に、なぜ新日本を選んだのか?
KENTAは2000年5月、19歳の時に全日本プロレスでデビューし、そのわずか1カ月後に三沢光晴らとともに新団体NOAHに移籍した最年少の旗揚げメンバーだ。2000年代前半からNOAHジュニアのトップとして頭角を現わし、2000年代半ばからは身長174cm、体重80kg強というジュニアの体格のままヘビー級との闘いにも進出。丸藤正道とともに、ヘビー級のトップと渡り合うジュニア戦士の先がけとなった。
2009年に三沢光晴が亡くなり、その後、小橋建太の引退、秋山準ら選手大量離脱などがありNOAHが苦境に立たされた時代は、トップの証であるGHCヘビー級王者として団体再建の牽引役を務めてきた。
しかし、かねてから海外志向が強く、33歳というレスラーとして脂がのりきった時期に世界最大のプロレス団体WWEへの挑戦を決断。2014年にNOAHを退団し、WWEへと移籍した。