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「シカゴ・ブルズは悪い環境ではない」24歳河村勇輝、NBA2年目どこへ?「カワムラが生き残るには…」米関係者が強調した“必要なアピール”
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杉浦大介Daisuke Sugiura
photograph byCole Burston/Getty Images
posted2025/07/06 11:02
メンフィス・グリズリーズからクオリファイングオファーを提示されず、制限なし完全フリーエージェントFAとなっていた河村勇輝
もっとも、NBAファンならご存知の通り、サマーリーグではブルズでプレーするからといって、河村のターゲットがブルズの登録枠に絞られたというわけではない。サマーリーグはいわば「全30チームへの公開オーディション」。各チームのエグゼクティブ、スカウトが一堂に会する場であり、あくまでFAの立場でブルズに籍を置いた河村のプレー次第でさまざまなチャンスは広がる。
ここでいいプレゼンテーションができれば、他のチームとの契約、本契約を目指したトレーニングキャンプへの招待、海外からのオファーなどの可能性も膨らんでくる。やはり現実的にはNBAでの2ウェイ契約が大目標だが、それに関しても他のチームから声がかかっても不思議はない。
同じ日本人選手では2018年夏、ブルックリン・ネッツのメンバーとしてサマーリーグでプレーし、その後にグリズリーズと2ウェイ契約を結んだ渡邊雄太のような流れも十分に考えられる。前述の代理人が「カワムラが目指すべきはブルズ含め、2ウェイ契約そのものだと思う」と述べる通り、ラスベガスを舞台にした“公開就職活動”がどんなステージにつながっていくかは実に興味深い。
富永啓生、馬場雄大も参戦
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2025年のサマーリーグは富永啓生がインディアナ・ペイサーズ、馬場雄大がニューヨーク・ニックスのメンバーに入り、日本のファンには見どころの多いイベントになる。それでも現地関係者によると、富永、馬場のプレー機会はかなり限定される模様。日本的な目玉はやはり稀代のファンタジスタ、河村の存在なのだろう。
持ち前の流麗なパスワークに加え、ディフェンスとロングジャンパーのレベルアップをアピールして次のステージに繋げられるかどうか。多くのギャンブラーがチャンスを求めて集まるラスベガス。決して眠らない街は、生粋のハードワーカーである河村の再出発の舞台にはふさわしい場所のように思えてくるのである。


