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医者から「野球はもうできなくなる」と言われ…京都の“名門野球部”主将を襲った難病 逆境から挑む最後の甲子園「普通の生活は当たり前じゃない」

posted2025/07/09 11:01

 
医者から「野球はもうできなくなる」と言われ…京都の“名門野球部”主将を襲った難病 逆境から挑む最後の甲子園「普通の生活は当たり前じゃない」<Number Web> photograph by Fumi Sawai

京都の強豪・立命館宇治高の野球部主将を務める伊藤央太。4番で捕手とまさにチームの“要”の存在だが、昨年から突然襲われた病魔と闘っている

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沢井史

沢井史Fumi Sawai

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 全国各地で甲子園に向けた地方大会の幕が上がり始めている。激戦区・京都でも連日、熱い戦いが繰り広げられている。その優勝候補の一角、立命館宇治高校の「4番・捕手」を務めるキャプテンは、昨年ある病に蝕まれ、一度は「野球ができなくなる」とまで言われていた。逆境を跳ね返して、最後の夏に臨む選手に話を聞いた。《NumberWebインタビュー全2回の2回目/最初から読む》

「4月になってからだったと思います。まだそこまで暑くない時期なのに、伊藤が教室で異様に汗をかいていたんです。もともと汗かきだったようですけど、汗の出方があまりにも異常だった。なので、病院で診てもらった方がいいということになったんです」

 立命館宇治高野球部の里井祥吾監督は、チームの「扇の要」である捕手の伊藤央太(3年)に昨年現れた“異変”について、そんな風に振り返る。

数々の異変…病院で下った診断は?

 病院での検査の結果、下った診断は「バセドウ病」だった。

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 バセドウ病とは甲状腺の動きが活発になり、甲状腺ホルモンが異常に産生される難病として知られている。甲状腺ホルモンは全身の臓器に作用して新陳代謝を促すホルモンのため、その産生が異常増加することで動悸、体重減少や手の震え、過剰な発汗などの症状が出るとされている。

 そしてその病によって、伊藤は過酷な宣告を受けることになる。

「『野球はもうできなくなる』と言われました。ショックは大きかったです。でも、まずは病気を治すことに専念しようと思いました」

【次ページ】 3カ月のブランクを経て…ようやくグラウンドへ

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