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サムライブルーの原材料BACK NUMBER
「妻のおかげです。子供たちだって…」JリーグMVP・岩田智輝、イングランド3部バーミンガムからの“成り上がり人生”「キャリアが大きく変わる」
text by

二宮寿朗Toshio Ninomiya
photograph byGetty Images
posted2025/07/06 11:00
イングランド3部で独走優勝したバーミンガムのボランチとして全38試合出場6ゴールをあげた岩田智輝(28歳)がNumberWebのインタビューに応じた
続くロザラム戦(21日)でも右足でミドルシュートを叩き込んで2-0勝利に貢献する。これ以上ないスタートを切ったのだ。
派手なプレーが目を引く形にはなった。ただチームメイトからの信頼を勝ち取っていったのは、攻守における堅実性、安定性、持続性。イングランド3部は中盤を省略したロングボール主体のチームが「3分の2くらい」あるため、ボランチの岩田は空中戦、1対1での競り合い、セカンドボールの奪い合い、とフィジカルの強い相手に対してまず守備のミッションを確実に果たしていくと同時に、攻撃の起点としてボールを的確にさばいていく。それこそがデービス監督から最も求められているものであった。
監督から「ロドリみたいになってほしい」
「セカンドボールはセルティックのときよりも多かったですね。だから予測して動くというのはかなり意識したところ。監督には『ロドリみたいになってほしい』と言われていました。だから自分としてはミスを少なく、奪ったボールをなるべく前につけつつ、しっかりとチャンスにつなげていく。だからゴールはたまたまで、運が良かっただけ。ただ得点を増やしていくことで、相手も自分に対してプレッシャーを掛けてくるようになりました」
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バーミンガムのロドリ。
あるときはチームの呼吸を整え、あるときはリズムをアップテンポにしてチャンスを創出する。自分に対する警戒が強まれば、逆にそれを利用すればいいだけのこと。チームの要となった彼は毎試合コンスタントに出続け、チームは勝ち点を積み上げて首位を走っていく。
3部とはいえ環境面においてストレスはなかった。バーミンガムはイングランドのほぼ真ん中に位置するため、バス移動も最大で3時間ほど。ホームゲームは常にほぼ満杯で、サポーターの後押しを感じることができた。
「休む勇気」も学べた
F・マリノス時代は筋トレ効果で当たり負けしないどころか相手を吹っ飛ばすほどのごつい肉体に仕上げていた。しかしタフなリーグを乗り切るためにはコンディションを維持することが一番だと考え、ケガをしない体づくりに留意した。電気治療などケアにはたっぷりと時間を掛けた。

