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全国高校駅伝「優勝候補」に意外なジョーカー?…「高校駅伝は今年が最後…走りたい」ある“長距離後進国”からの留学生が語る“駅伝への想い” 

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和田悟志

和田悟志Satoshi Wada

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posted2025/06/30 06:01

全国高校駅伝「優勝候補」に意外なジョーカー?…「高校駅伝は今年が最後…走りたい」ある“長距離後進国”からの留学生が語る“駅伝への想い”<Number Web> photograph by Satoshi Wada

今冬の全国高校駅伝では優勝候補の一角と目される仙台育英高。3年生の簡子傑は長距離種目では非強豪国である台湾からの留学生だ

 1500mの自己記録は3分46秒56まで伸ばした。1983年に黃文成がマークした台湾記録(3分46秒4)が今なお破られず残っているが、簡が更新するのは時間の問題だろう。

 長い距離にも対応し、現在、5000mは13分58秒51、10000mは29分22秒21の記録をもつ。この2種目でも台湾記録更新が見えている。5000m(13分54秒42)は2002年、10000m(29分12秒1)は1993年の記録で、長い間破られていない記録だ。1500mと合わせて3種目で、止まったままだった時計の針を進めようとしている。

 目標としていた台湾のナショナルチームに選ばれ、若くして台湾の中長距離界を牽引する存在なのだ。

「国を背負って、しっかり戦えるようになりたい」

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 とはいえ、近い将来に台湾記録保持者となっても、それはまだ成長の途上に過ぎない。

「まだ高校生ですし、今後は長い。チームを背負って、国を背負って、しっかり戦えるようになりたいという思いがあります」

 簡の志は高く、まだまだ成長を見せてくれるに違いない。

 簡が日本行きを決めた理由の1つには、日本の駅伝文化への関心もあった。

「箱根駅伝は(台湾にも)ファンがいっぱいいて、結構知られています。箱根駅伝のために陸上をやりたいって思う人もいる。自分も、中学生の頃から箱根駅伝を見てきた。すごいなあと思って見ていて、箱根駅伝の選手になりたいという思いがありました」

【次ページ】 高校駅伝「留学生ルール」の壁

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