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「ミトマ…美しいタッチだ」145億円オファー拒否も納得の“伝説ゴール”三笘薫プレミア2ケタ得点に英国人記者・識者が「ホレボレ」
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エド・アーロンズEd Aarons / The Guardian
photograph byKiichi Matsumoto
posted2025/06/17 17:30
ブライトンの左の攻撃を担った三笘薫。プレミア屈指のサイドアタッカーの24-25シーズンを英国人記者はどう見たか
「今季、彼(三笘)は体の動かし方に関する理解を深め、それが見事なパフォーマンスに繋がっている。練習量が本当にすごいんだ」
負傷に見舞われ、終盤の3カ月を棒に振った前のシーズンの悔しさを晴らすように、三笘は躍動した。その2023-24シーズンのリーグ戦の成績は、19試合3得点6アシスト。終わったばかりの2024-25シーズンのそれは、36試合10得点4アシストだった。33試合7得点7アシストで衝撃的にデビューした2022-23シーズンと比べても、英国南岸に移ってから最高のシーズンを過ごしたと言える。
ゴールを奪えたことで楽になりました
ただし着火したエンジンがしっかり温まるまでは、時間を要した。8月17日のエバートンとの開幕戦(3-0の勝利)で鮮やかな先制点をマークしてから、次の得点は11月23日のボーンマス戦(2-1の勝利)までと、3カ月以上かかった。プレミアリーグ史上最年少となる31歳でブライトンの監督に就任したヒュルツェラー監督はその間に、さほど年齢差のない日本代表アタッカーを労うように、こう話している。
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「彼は長く離脱していたので、本当の姿を取り戻すまで、少し時間がかかったのだと思う。我々としては、できるかぎりプレッシャーを与えないようにしている。いくつかの決定機を外したのは、不運だっただけだ。彼がこのまま復調していけば、ゴールとアシストはついてくるだろう」
チームはそのボーンマス戦まで好スタートを切っていた(6勝4分2敗)が、翌13節サウサンプトン戦から8試合にわたって白星から見放されてしまう。この未勝利に終止符を打った1月16日のイプスウィッチ戦(2-0の勝利)でも、三笘が先制点を奪っている。さらに3日後の翌22節マンチェスター・ユナイテッド戦(3-1の勝利)では決勝点を挙げ、プレミアリーグの日本人史上最多得点となる通算15ゴールとした。
「イプスウィッチ戦までは、かなり苦しんでいました」と三笘は吐露した。
「でもゴールを奪えたことで、楽になりました」
サウジの“145億円オファー”一蹴は正しかった
1月の移籍市場で、ブライトンは三笘への巨額のオファーを断っている。サウジアラビアのアル・ナスルが推定7500万ポンド(約145億円)もの移籍金を積んで、クリスティアーノ・ロナウドやサディオ・マネらが揃う前線の新戦力として三笘を迎えようとした。
しかし――。

