7年目でついにブレイクか「高卒育成ドラフトの星」DeNA宮城滝太24歳は初体験する一軍のハードな日常に奮闘中「計画性より“鈍感力”で」 

自分の出ていない日本シリーズを目に焼き付けた

　野球が嫌いになりそうになった。経験したことのない苦しみの渦中、宮城は失意を抱えたまま『みやざきフェニックス・リーグ』に派遣された。一方、一軍はポストシーズンを戦い、日本一への階段を昇っている最中だった。

「日本シリーズで戦うチームを見ると、先日までファームで一緒だった選手が活躍している。正直、うらやましいな、やばいなって、自分も出来そうなのになって思いましたよ」

宮城は日本シリーズをあえて目に焼き付けたという　©Hideki Sugiyama

　悔しさを顔に浮かべると、次の瞬間、宮城は目に力を込めた。

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「けど、あえて日本シリーズを目に焼き付けるように見たんですよ。自分を奮い立たせるために。いつ一軍から声がかかってもいいように待機はしていましたが、正直、もう呼ばれることはないと思っていたので、だったら宮崎にいるうちから来シーズンに向けて動き出そうって。入来（祐作）コーチをはじめスタッフの方々といろいろ話をして、トレーニングからキャッチボールの意識までガラッと変えたんです。誰よりも早く来年の準備を始めようって」

〈全2回の1回目／つづく〉