7年目でついにブレイクか「高卒育成ドラフトの星」DeNA宮城滝太24歳は初体験する一軍のハードな日常に奮闘中「計画性より“鈍感力”で」 

　今季はすでにキャリアハイの登板数を記録しており、またアピールに明け暮れたキャンプからオープン戦も含めれば、これほど長く一軍に帯同されたこともない。強度の高い試合がつづく一軍でのコンディションの維持は、最初は誰もが苦労するものだ。

「移動も多いですし、ナイターの翌日にデイゲームなど非常に流動的というか、そういう状況で体にいろいろな反応が出る中で、グラウンドに立つまでの時間、いかに自分に集中することができるかが大事だなって」

計画的に進めることをやめた

　微細な加減と管理が重要な投手の体。規則正しい生活を送ることが難しい中、宮城はある結論に達したという。

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「いい意味で、きっちり細かく全部計画的に進めることをやめたんです」

　宮城は、はっきりとそう言った。しかし、コンディション維持のために必要不可欠なルーティンも存在するだろう。

「そうなんですけど、そういったものに縛られすぎて、試合前にできずに『やり残したことがあった……』と思ってしまうと、メンタル的に逆にきつくなるんです。だから忙しい最中であっても、これだけは最低限やるってことだけを決めて、あとは臨機応変に対応しようって。

　あと僕は、体に細かい異変やトラブルがあると、すぐ反応して気づきやすいタイプなんです。けど、それを気にし過ぎると、小さなことを自分でどんどん大きくしてしまうので、逆に気にしないようにというか“鈍感力”みたいなものをすごく意識するようにしています」

一軍で戦力としてシーズンを戦うためのコンディション維持は大きな課題だ　©JIJI PRESS

　沖縄生まれの青年らしく普段は大らかな雰囲気を醸し出す宮城だが、マウンド上ではどんなことがあっても感情を表に出さないポーカーフェイス。しかしその裏では“心技体”がリンクした複雑な感情が揺れ動いていた。“鈍感力”と宮城は言ったが、時にはいい意味で自分自身に嘘をつくことも、日々の試合をベストな状態で戦うには必要なことなのだろう。すべてはマウンドで答えを出すために。

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