ハマ街ダイアリーBACK NUMBER
「アズマ(東克樹)や(アンドレ・)ジャクソンのおかげで…」DeNAアンソニー・ケイ“2年目の充実”を支えるもの「日本に来たことは正解でした」
posted2025/05/05 11:02

昨シーズンは6勝9敗、防御率3.42だったアンソニー・ケイだが、今季序盤は抜群の投球内容で波に乗り切れないチームを支えている
text by

石塚隆Takashi Ishizuka
photograph by
JIJI PRESS
やりがいと充実を感じる異国での日々――。
来日2年目、横浜DeNAベイスターズのアンソニー・ケイは日本でプレーすると決めたときのことを振り返る。
日本に来たことは正解だった
「当時の僕は、オファーをしてくれたベイスターズに行くか、もしくはマイナーに身を置きメジャーに挑戦するチャンスを待つかの二択でした。日本の野球についてポジティブなことを周りの選手から聞いていましたし、それにこの数年、チームを転々としていたので、ひとつの場所でプレーできることはとても魅力的でした。
ADVERTISEMENT
結果、日本に来たことは正解だったと思っていますし、野球におけるキャリアばかりでなく、人生を変えるような経験ができ、すでに僕や家族にとって忘れがたいものになっています」
ケイは少しだけ微笑み、そう語った。
今シーズンのケイの存在感は、先発として非常に際立ったものだ。ここまで4試合に登板し、2勝1敗、防御率は1.00(5月4日現在、以下同)、とくに制球力を示す指標である『K/BB』は9.33という驚異的な数字を残している。『K/BB』は、奪三振と与四球の比率であり、一般的には3.5以上で優秀とされている。もちろん試合数が少ないので参考までにすぎないが、それでもケイが制球よくゾーン内で勝負できていることは、今季のピッチングを見ていればよくわかる。
今季好調のわけは?
昨季はとくにポストシーズンでタフなピッチングを見せ、頼れる投手として信用を得たが、それ以上に今季はボールの質から構成など全体的にブラッシュアップされているように感じられる。それは何故かと本人に尋ねると、しばし思案して口を開いた。
「技術的というよりも、僕としてはメンタルの部分で向上しているといった認識なんです。昨季は右も左もわからない環境で、まずそこに慣れることが重要でした。しかし今季は2年目ということで、その心配はありません。顔なじみのチームメイトやスタッフに囲まれて、すごくリラックスした状態でプレーすることができているんです」
昨年は慣れない環境ということもあり、リズムが悪く上手くいかないときはいら立ちを露わにすることもあったが、今季はランナーを出しても、アンラッキーなことがあったとしても、チームメイトを信頼し、落ち着いてプレーできている。