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「5R終了後にニヤリ」日本人王者対決で中谷潤人が“勝利を確信した瞬間”…元世界王者・飯田覚士の見解「今回の戦い方は井上尚弥に通用するのか?」 

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二宮寿朗

二宮寿朗Toshio Ninomiya

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photograph byTakuya Sugiyama

posted2025/06/11 17:03

「5R終了後にニヤリ」日本人王者対決で中谷潤人が“勝利を確信した瞬間”…元世界王者・飯田覚士の見解「今回の戦い方は井上尚弥に通用するのか?」<Number Web> photograph by Takuya Sugiyama

日本人世界王者対決となった中谷潤人vs西田凌佑の激闘を元世界王者・飯田覚士が徹底解説した

「スーパーバンタムでも十分に通用するパワーがあるということはアピールできたのではないでしょうか。ペースが落ちなかったため減量苦によるオーバーペースではなく、あくまで戦略だとは思います。とはいえ前日計量における検診で脈拍数が100を超えていたこともあって、減量がだいぶきつくなっているような印象もぬぐい切れたわけではない。1階級上げれば当然そこから解放されるので、もっと動きは良くなるはずです。被弾も厭わずパワーで圧倒してダメージを与えていくという荒々しい戦い方は、尚弥選手には通用しないと思った人はいっぱいいると思います。でもきっと今回に限ってのこと。尚弥選手との試合ではまったく違う戦い方を選択するでしょうから。いずれにしても中谷選手が統一戦で伸び伸び、楽しそうにやっていたことがとても印象的でした」

 サプライズとミッションを完全遂行した中谷潤人の凄味。それこそが井上尚弥に「ワクワクしちゃうよな」とSNSでつづらせたのではあるまいか。

 幅を広げて、引き出しを増やして、どんな戦い方もできて、人々の想定を超えて――。まだ進化の過程に過ぎないと、その奥行きの深さを知らしめた有明の夜になった。

<前編から続く>

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「これを予想できた人はいないのでは」中谷潤人“サプライズ奇襲”の裏で…元世界王者・飯田覚士が懸念した前日計量のある数値「減量苦のバロメーターか…」

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