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久保建英24歳「僕ごときに臆していては」が正論だからこそ…鈴木唯人と藤田譲瑠チマに期待したい《日本代表vsオーストラリア予想スタメン》 

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ミムラユウスケ

ミムラユウスケYusuke Mimura

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photograph byKiichi Matsumoto

posted2025/06/05 11:04

久保建英24歳「僕ごときに臆していては」が正論だからこそ…鈴木唯人と藤田譲瑠チマに期待したい《日本代表vsオーストラリア予想スタメン》<Number Web> photograph by Kiichi Matsumoto

“大シャッフル”となった日本代表。藤田譲瑠チマらパリ世代は、敵地オーストラリア戦でスタメン出場を果たすか

 藤田は自身よりも年上である渡辺剛、瀬古歩夢、佐野海舟と複数のコーチを交えながら、長い時間ディスカッションを続けていた。あの場面を藤田はこう振り返る。

「色々な意見を入れながら、色々な戦術をすり合わせながら、そこで自分の色をどう出せるのかを考えながら、話していました。サッカーをやっている以上、年齢は関係ないと思うので」

 虎視眈々と、やるべきことを全力でやるのが自分らしいスタイルだと藤田は考えている。あとは、それをピッチでいかにして表現するかだ。

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「前線の選手をコントロールする立場ですし、そうしたことを監督も求めていると思います。そういったところを意識しながらやれたら」

スタメン予想・久保が口にした「僕ごときに…」

 筆者がオーストラリア戦の予想スタメンに入れた2人を筆頭に、パリ五輪世代の選手たちは、それぞれの立場で胸に期するものを表現しようとしている。

 なお、今回のメンバーを発表した記者会見で、森保監督は以下のように語っていた。

「(代表における)経験値のかなり若いメンバー、パリオリンピック世代から下のメンバーが多く招集されています。彼(※久保)は、日ごろから年齢に関係なくチームのリーダーとして立ち居振る舞いをしてくれていますけど、今回は特に、新たに入る選手たちのリーダー役として、同世代の選手として接してもらえればなということで招集させてもらいました」

 では、この試合の予想先発にも入れた――この世代のトップランナーである久保はどう考えているのか。

 6月4日、オーストラリア戦前日に誕生日を迎えて24歳になった久保は「誕生日を迎えた実感もないですし、とりあえず明日の試合に向けていい準備ができればなと思っています」と振り返ったうえで、同世代の選手たちについてこう話した。

「彼らが僕のことをどう思っているかはわからないですけど、僕ごときに臆しているようなら、多分、代表でやっていけないと思うので。そこはいつも通り、所属チームでやっているのと同じ感覚で来てほしいとは思います」

 久保の考えはいたって正論だ。与えられたチャンスで初めて奮起しようとするようでは遅い。

 前回の活動期間中、森保監督は6月の代表戦で選手を大幅に入れ替えるつもりはないと明かしていた。ところが、その後にアシスタントコーチ陣と話をしながら、落ち着いて考え、新メンバーの大量招集を決めた経緯がある。

 W杯最終予選で多くプレーした選手を主軸として今後も考えているのは間違いない。今回呼ばれた選手たちには貴重なチャンスであるとはいえ、それを来年のW杯につなげるためのハードルはかなり高いことを忘れてはいけない。

7年前から“ずっと常連”はわずか5人しかいない

 奇しくも今回と全く同じで、代表出場歴5試合以下の浅い選手が16人も選ばれたのが2018年9月の森保体制の初陣だった。ただ、そこで招集されたメンバーの中で、今も代表の常連と言えるのは、遠藤の他には、伊東純也、南野拓実、堂安律、冨安健洋。わずか5人しかいない。

 サッカーの世界では若い選手が次々と出てくる。代わりはいくらでもいる。それも現実だ。だからこそ、我々も、それだけ厳しい戦いであるということを分かったうえで、今回のオーストラリア戦を見るべきだろう。第1回からつづく〉

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