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ボクシングPRESSBACK NUMBER
「ニシダは危険だ」中谷潤人は“西田凌佑”をどう攻略するのか…名参謀ルディが警戒する“見た目以上の強さ”とは?「ジュントは12Rも想定している」
text by

杉浦大介Daisuke Sugiura
photograph byHiroaki Finito Yamaguchi
posted2025/06/05 11:02
WBC世界バンタム級王者・中谷潤人(27歳)とIBF同級王者・西田凌佑(28歳)。無敗の日本人対決に注目が集まる
――西田のどういった部分がそれほど危険だと感じさせるのでしょうか?
RH ニシダは一見するとそれほどすごいボクサーには見えないが、実際にはリング上ですべてのことを正しい形でやる選手だ。攻撃時にはあまりミスをしないし、それほどパンチを浴びることもない。派手ではないし、馬力がありそうにも見えないが、効果的に戦う方法を知っている選手だ。だから私の中には懸念はある。ニシダは優れたボクサーであり、見た目以上の強さを持った王者だと思う。
――中谷はしばらく早いラウンドでのKOを続けていますが、西田戦は長い試合になると思いますか?
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RH 12ラウンドを戦えるようにトレーニングをしている。5〜6回で勝てると考え、12回までいったときに準備ができていない、といったことは避けたい。そんな姿勢で臨むのはアンプロフェッショナルだ。必要とあらば、12ラウンドにわたってハードに動くだけの鍛錬は積んである。
――中谷自身も相手を甘く見るタイプではないですよね。
RH ジュントは常に集中している。だからこそ特別なボクサーなんだ。彼が気を抜くことはないし、可能な限り最高のコンディションでトレーニングに臨む。相手のこともリスペクトしているし、試合当日は準備が整っているはずだ。
少年時代から知る中谷潤人の成熟
――10代半ばの頃からもう長い間、中谷を見てきましたが何か変化は感じますか?
RH 年齢を重ね、自信をつけているのは間違いない。以前よりも快適そうに会話するし、自信を持って日々を過ごしている。昔はかなりシャイだったけれど、今では心身両面でより強い人間になったと信じられる。
――中谷は骨格的にまだまだ上の階級で戦えそうですが、最終的にどのくらいまで上げられると思っていますか?
RH タイミング、年齢次第だが、スーパーフェザー級まではいけるのではないかと思う。ジュントのサイズ的にはライト級にも見えるが、おそらく130パウンド(スーパーフェザー級)くらいまでだろう。
―― 一部のアメリカのファンの間では、いまだに井上がジャーボンテ・デービス、シャクール・スティーブンソンといったライト級の人気王者たちに挑戦する冒険ファイトを望む声が出ています。井上への評価の高さと尊敬の証ですが、ライトフライ級から戦い始めた井上のライト級への昇級は骨格的に現実的ではありません。
ただ、個人的に、もともとよりフレームの大きな中谷は数年後にライト級でデービスと戦うのは不可能ではないと考えているのですが、いかがでしょうか?


