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「運動音痴で、スキップもできない」のに!? 女子400mで“17年ぶり日本記録超え”フロレス・アリエ(21歳)って何者?「天真爛漫という言葉がぴったり」 

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石井宏美

石井宏美Hiromi Ishii

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photograph byAsami Enomoto

posted2025/06/06 11:00

「運動音痴で、スキップもできない」のに!? 女子400mで“17年ぶり日本記録超え”フロレス・アリエ(21歳)って何者?「天真爛漫という言葉がぴったり」<Number Web> photograph by Asami Enomoto

今年5月の静岡国際女子400mで17年ぶりに日本記録越えを果たした日体大3年のフロレス・アリエ。その後も関カレなどで獅子奮迅の活躍を見せている

 そんな彼女が陸上競技を始めたのは中学のとき。部活に入ることがマストだったため、「めちゃくちゃ運動音痴で、リズム感もないし、スキップもできない。走ることしかできないから」と陸上を選んだ。

 東海大静岡翔洋高1年まで試合では100mと200mを中心に出場していたが、その年の冬季練習で顧問に薦められ400mを始めた。

高2で全国入賞も…陥った「スランプ」

 高2の夏のインターハイで56秒20と6位入賞を果たすと、「自分には向いているのかも」とトレーニングに力を入れるように。しかしその後は体重が増加し、不調に陥った。当時は大学入学後に競技を続ける意味を見失い、陸上をやめようと考えたこともあったという。

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「高3の3月頃に肉離れを起こしてしまってしばらく走れなかったんです。そこで体重が6kgくらい増えてしまって。気持ち的にモヤモヤしていましたし、『400mってどうやって走ればいいんだっけ?』と走り方もわからなくなってしまって」

 それでも「せっかくこれまで続けてきたんだからもったいない」と諭され日体大へと進学。大学でも怪我のため体重が大幅に増量したことがあったが、自炊など食生活を改善して減量に成功。高校時代の自己ベストは55秒41だったが、昨季の日本インカレで53秒03をマークするなど、大学で才能を開花させている。

 今季は4月中旬に左のふくらはぎを肉離れした影響で、日本学生選手権と織田記念は練習の一環として出場。静岡国際での51秒台はいわば復帰したばかりのタイミングだった。  

 では、自己ベストを大幅に短縮できたのはなぜだったのか――。その秘密はこの冬季練習に隠されていた。

<次回へつづく>

#2に続く
「上半身の筋肉量が増えて…」女子400m“17年ぶり日本記録超え”はなぜ起きた? 21歳の新星フロレス・アリエ“覚醒のワケ”「また日本記録に挑戦したい」

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