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「こりゃ困った!」中日ベストナインを成績で選ぶと「立浪和義ら二塁が豪華すぎ、三塁がやや弱い問題」…外野と投手陣はどうする?
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広尾晃Kou Hiroo
photograph bySports Graphic Number
posted2025/05/31 17:03

星野仙一、立浪和義、福留孝介。それぞれ中日ドラゴンズの主力としてチームをけん引した
山本昌、杉下と200勝投手が2人。杉下は沢村賞3回、山本昌も1回。まさに左右のエースだ。沢村賞は星野、今中慎二、川上、大野雄大も獲得している。星野、小松、鈴木、小松、郭源治と先発・救援両方で活躍した投手が多いのも中日の特色だ。
岩瀬もライデルも浅尾も郭源治も…充実リリーフ
しかしクローザー、セットアッパーを見ていくと、専門職となった現代の名ピッチャーがずらりと並ぶ。
《クローザー》
岩瀬仁紀1002試59勝51敗
407S82H985回 率2.31
R・マルティネス303試14勝18敗
166S42H310.2回 率1.71
郭源治496試106勝106敗
116S0H1971回 率3.22
ギャラード168試4勝6敗
112S0H164回 率2.52
宣銅烈162試10勝4敗
98S0H197回 率2.70
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ここまで紹介した通り、NPB最多セーブの岩瀬が407セーブで君臨している。圧倒的ではあるが、今季巨人に移籍したライデル・マルティネスは「時価」では最強だろう。韓国プロ野球史上最強投手と言われた宣銅烈も、迫力あるクローザーだった。
《セットアッパー》
浅尾拓也416試38勝21敗
23S200H 505.1回 率2.42
又吉克樹400試41勝26敗
10S143H 493.1回 率2.86
祖父江大輔499試17勝27敗
12S136H 491.2回率3.02
田島慎二462試25勝41敗
75S117H 502.1回 率3.62
高橋聡文401試17勝14敗
1S99H 356.1回 率3.39
こちらも中継ぎ投手で唯一のMVPを獲得した浅尾が飛びぬけている。又吉は独立リーグ香川から入団し、救援で活躍し、独立リーグ出身としては初めてFAでソフトバンクに移籍した。
ベストナインを選んでみる…三塁、どうする?
さて、この顔ぶれで「ベストナイン」を決めるわけだ。ベストナインというからには「9人」なのだが、中日のような伝統ある球団では、同じポジションに大選手が重なることがよくある。選手としての数字だけで決めてしまうと、絶対外せない選手が漏れてしまう。パ・リーグなら「DH」という手もあるが、セの球団ではそれも難しい……ということで、申し訳ないが一部「ダブルキャスト」にさせてもらった。
エースは中日初優勝、日本一のレジェンド杉下、捕手木俣、一塁は谷沢と落合、二塁は高木と荒木のダブルキャスト、そして三塁はプロパーの三塁手ではなく三塁でベストナイン。ゴールデングラブ各1回の立浪、外野は福留、大島、中とした。
《打順》
1(中)大島洋平
2(右)中暁生(二)高木守道
3(左)福留孝介(一)谷沢健一
4(一)落合博満
5(捕)木俣達彦
6(三)立浪和義
7(遊)井端弘和
8(二)荒木雅博
《ローテーション》
杉下茂(右)
山本昌(左)
星野仙一(右)
小松辰雄(右)
《セットアッパー》
浅尾拓也(右)
《クローザー》
岩瀬仁紀(左)
監督は、実績としては落合博満だが、さてテクノクラート気質(職人肌)と言われた歴代中日ナインとの相性はどうか? その落合を選手時代に使いこなしたこともあり、星野仙一、としたいが――いかがか? 読者各位の忌憚ない意見を頂戴したいところだ。〈第1回からつづく〉

